第三話 指令

「何の用ですか?」


「おいおい、わかるだろ? 仕事だよ。さぁまずは自己紹介からだろ? 嬢ちゃん」


 小さく咳ばらいをし、立ち上がるアスカ。


 コウジに頭を下げる。


「失礼いたしました。私は、七番目の天器てんき使い、ナナイロ・アスカです。よろしくお願いします」


「おう、よろしく」


 直立不動のアスカの肩を優しく叩くコウジ。


「ま、そう、緊張するな。リラックス、


 コウジは部屋に入ると、畳まれた赤い服が入った袋をアスカのベッドに落とした。


「お前のだ」


「私の制服ですか?」


「そうだ、天器てんき使いの制服だ。そして――」


 アスカは、赤いに手を伸ばし、袋から出す。


 赤いロングコ―トだ。


 が羽織っていたのと同じデザインが、アスカに目標に一歩近づいたのを知らせる。



「この収容所から、出ろっていう催促だよ」


「ということは、もう一つ王国から出されてるものがありますよね」


「さすが、優等生。話が早い」


 コウジは掠れた声と唇の端を持ち上げ、一枚の封筒をアスカに手渡す。


「指令書だ」


 アスカはコ―トを羽織ると、封筒を開ける。


 コウジは自分のコ―トの内ポケットから、一枚の紙を取り出し、アスカに見せつける。


「内容は、俺と同じ」


 アスカは震えた手で紙を見つめる。そこには、アスカが追い求める背中――


 コウジは口を開いた。


脱国だっこくした六番目の天器てんき使いキョウ・アサンテの捕獲、抹殺だ」


 の青年の名が、罪人として刻まれていた……

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