私は蝶になっていた。

心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。

夢から醒めると、私は私だった。


私が蝶の夢を見ていたのか。

蝶が私の夢を見ているのか。


………どちらが本当の自分なのか?


私と蝶、形の上では区別がある。

しかし、主体としての私と蝶は

何も区別するものがない。


両者に本当の意味での違いは、存在しないのだろう。





昔者、荘周夢為胡蝶。  

栩栩然胡蝶也。

自喩適志与。

不知周也。

俄然覚、則蘧蘧然周也。


俄然覚、則蘧蘧然周也。

不知、周之夢為胡蝶与、胡蝶之夢為周与。


与胡蝶、則必有分矣。


此之謂物化。


荘子「胡蝶之夢」

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