ビーツのポタージュ

ペチカ、ライカと歌えば、

暖炉の薪が、パチパチ火を纏て揺れる。


その金糸と銀糸があまれた灰野の毛並みに、

展覧会で見つけた、

コルネリスフィッセルの絵を、思い出したよ。


暖炉の横で、

犬もペチカペチカと火に包まれて眠るる。

瞼は厚い。


ソフィアおばあさんが、煤けた銅窯をそこにかけて、

冬越しのじゃがいもと、ソ連配給のビーツ缶、野苺、山羊娼婦の乳清を、火に溶かして、焦がさぬように、かき混ぜる。


犬が起きだし、灰の丸い目に、紫根が差し込む。

老婆は、ウラルで掘られた雪岩塩を、パラパラとしわだらけの手で振った。


大地の匂いだ。


彼女は、古慣れした木べらで、真っ赤ツンドラを潰していく。ふつふつと命の源が、血潮。


土そのものを食べるから、スープが好きだと零したら、

彼女は笑って、お皿を持ってきてくれと、孫に頼んだ。

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