第2話


 木製の扉を開けて、建物の中に入る。

 ここは砂漠に囲まれた都市国家にある冒険者ギルド。

 ギルドの中にいた複数の人物がざわざわと談笑していたが、僕たちが入ってきたとたん会話をやめてこちらを見る。注目されているようで恥ずかしい。

 もちろん僕なんかをみんなが注目するはずがないことは分かっている。注目されているのは、僕とパーティを組んでいる3人の女性たち。

 清楚な修道服に身を包んだ銀髪の美少女マリー。

 皮の鎧とガントレットを装備したプラチナブロンドの美女エルザ。

 漆黒のローブに包んでいる黒髪の美女シズ。

 そんな絶世の美女たちが男性ばかりのギルドに入ってきたら、みんなが注目するのも無理はないと思う。

 たくさんの男性の視線を浴びて恥ずかしく、僕は少しうつむきがちに受付のデスクに向かった。


「よお、おかえり。依頼は達成できたか?」

 にこにこと笑顔で迎えてくれる受付の男性。いつも親切に対応してくれるこの男性にホッとして僕は小さな声でどもりながら答えた。

「は・・・はい。薬草50束、依頼通り採取してきました」

 受付のカウンターに背中に背負っていた袋をおろし、中から薬草の束をカウンターに並べた。

 それを数えて男性は笑顔を向けてくる。

「おぉ、確かに依頼通りだ。ではちょっと待っててくれ」

 少し奥の扉の中に入っていく。しばらくして戻って来た男性は革袋をカウンターに置いた。

「依頼達成おめでとう。受け取りのサインをここにしてくれ」

 カウンターに置いた”紙”を指で示してくる。

 僕はアルファベットで「YAMADA」とサインした。

「じゃあ、報酬の銅貨20枚だ。確認してくれ」

 革袋の中を確認して数を数える。20枚確かにある。

「はい、大丈夫です」

「では、またよろしくな!」

 ニコニコと笑顔の受付の男性に見送られてカウンターを背にする。


 ギルドの中を振り返ると、パーティのメンバーたちの周りを他の冒険者たちは遠巻きにしていた。あまりにも美人過ぎて封建者たちは声をかけることもできないらしい。

 マリーが僕に近づき、腕に手を絡めてくる。

「ねえ。ここでの用事は終わった?」

 耳元にささやくように声をかけてくる。

「あ・・・あぁ。ちゃんと報酬を受け取った」

「じゃあ。行きましょうよ」

 顔が真っ赤になっていることを自覚しながら僕はうなづくしかなかった。


 ギルドから外に出た僕たち4人


「じゃあ、宿に戻りましょ。明日も朝から依頼を受けるんでしょう」

「う・・・・うん」

 マリーに腕を絡ませながら僕は宿に向かって歩き出す。

 そんな僕たちを見てエルザは小さくため息をつく。

「あ・・・あたいは少し買い物してから戻るから」

 するとシズも落ち着いた声色で話す。

「私も補充する資材があるから先に戻っていて」

 それを聞いたマリーはにっこりと微笑んで僕の腕を抱きしめる。

 その大きな胸が押し付けられドキドキする。

「じゃあふ・た・りで宿に戻りましょう。勇者さま」

 その艶めいた声色と柔らかい感触に僕は頭の中が真っ白になって宿に向かうのであった。

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