第2話 出会い
2015年の春、私は、大学進学を機に地元の長野県を離れ、東京に上京した。田舎生まれ、田舎育ちの私にとっては、すべてがキラキラ輝いて見えた。
都会に憧れを抱いていた私は、長野でも学べるのだが、東京で看護を学びたいと理由をつけて、長野を飛び出したのだ。
都会、一人暮らし、学生ときたら、まずはバイトだろう!心を躍らせ、適当なバイト先はないだろうかと、吟味しながら宿舎の周りを徘徊するのが、しばらくの私の日課であった。
勉強が忙しいと理由をつけて、親からの仕送りにあぐらをかき、バイトを始めたころには、すっかり沿道のイチョウの木は、黄色く色付き銀杏薫る秋になっていた。
バイトをするのは初めてだったし、都会はみんな忙しそうにしてたから、いつも買い物で利用するスーパーのレジ打ちに落ち着いた。
これはビビった訳じゃないよ、安全策を取っただけだらね、何事もステップアップが大事だからね!
バイト初日、休憩時間になり、休憩室に入ると1人先客がいた。その先客は、110円のあんぱんを片手にニヤニヤしながら携帯をいじっていた。
私が入ってきたことに気がつくと、携帯を机に置き、私の胸の方に目線をやり、眉間にしわを寄せ、じっと見つめてきた。
そして、「さくら…だ…ももこ?さくらだももこ」
「勝手に名札読むの辞めてくれます?怖いんで」
「ちびまるこちゃんじゃん!よろしく!」
そう私の名前は、桜田桃子、この名前は国民的アニメを連想させるらしく、小さい頃、クラスの男子から、散々おちょくられ、うんざりしていた。
その、地雷を悪気もなく初日で踏んづけてきた失礼な男、名札を見返してやろう。
「さとう…てつや」失礼な奴にしては、堅い名前だ、つまらない。
「おい、呼び捨て、すな、先輩ぞ」
これが、佐藤哲也、コドオジとの出会いであった。
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