Side Reo


莉音を見つけたのは、たまたま会社の接待で使った料亭だった。


恐ろしく綺麗な女だと思った。

今まで出会ったどの女より、美しかった。


どこかの男に連れられた莉音は、俯いたまま歩いていた。莉音が視線を上げることはなかった。


瞳に「生」を感じなかった。



帰り道、秘書の神谷に莉音について調べるよう言った。


神谷は父の会社にいた時から俺の右腕だった男で、独立する時も迷わず声をかけた。

大学の後輩でもあり、長い付き合いだ。



「社長が女を調べるなんて珍しいですね。」

「あぁ。」

「かなりの毒親に育てられたみたいで。」

「そうか。」

「特別なことは何もありませんでしたよ?有名人の隠し子とかでもなく、」

「あぁ。」



神谷から受け取った莉音に関する資料全てに目を通した。




山崎莉音、18歳。


昼間は運送会社の事務で働き、夜は母親のスナックを手伝っている。


家族はギャンブル依存の母親と、死別した父親。兄弟はいない。

2年前、母親と再婚した男から性的暴力を受けている。


母親の男関係については、昔からだいぶ悪そうだ。


それから、学歴、職歴、交友関係、生活実態、過去のトラブルなどが全て記されていた。




「この子、どうするつもりですか?」

「この前一緒にいた男は?」

「あれはスナックの客でした。

母親の命令で、太い客には身体売ることもよくあったって。」

「チッ、」

「まさか、この子に惚れました?」

「こいつを買う。」

「本気ですか?」

「あぁ。」

「いくらで?」

「500だ。」

「すぐに用意します。」



莉音の誕生日は、もうすぐか。


計画は、その日に実行しよう。

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