第3話 烙印者王国へ

セフィーリアは魔法の儀で魔法の適正なしと判断された。


これはこの国では人生の烙印を押されたも同然だった。

適正なしを宣告されたのは過去4人しかいないということだ。


私としては魔法を覚えることができないことが少し残念だったが、魔法なしでどこまで相手に通じるのかを試してみたさがあった。


両親からしたら、それどころではなかったらしい。


「王国にどう報告すれば――、良くて追放。最悪は死罪……」

「いやよ! 自分の子が死ぬなんて……」

「拒否した場合はお取壊しもありえる……」

「我が子のほうが大事だわ」

「しかし……」


アダンとアリシアは言い争っていた。


「旦那様、奥様……」

メイド長が二人の嘆きを……


どうやら、死罪というほど大ごとなことのようだ。そう考えると両親には恵まれている。忠誠を誓うべき王国に反しようとは……


私としては自由奔放に縛られないほうが楽なのだが……

もちろん死罪は拳でなんとかするが。


「分かった。私も腹をくくろう」


2人の方針は決まったらしい――



それから2週間ほどの日が経った――


王国より一通の手紙が届く。


アダンはその内容を読んだ。


「あなた……、王国は何て……?」


アリシアが問う。


「王国は……、前代未聞の出来事だ。その子は魔王になるかもしれない。即刻処罰するように――っとのことだ」


「そんなっ――――」


「俺が直接話に行こう――」


アダンはどうやら直談判をするそうだ。




――――――

――――

――




翌日、アダンは馬車に乗った。


王国へ直談判しに行くのが目的だ。


王国へ向かう途中――


こっそり乗り込んだつまりが見つかってしまった。小さい馬車であった以上、しょうがなくもあるが……


「セフィーリア……、どうして?」


「お父様、王様のとこへいくんでしょ?」


「そうだ……」


「私が無害で安全っというところを見せたらどうかしら?」


「そんなことを言っても、無駄だろう。ここまで来てしまったからには連れて行くが、お前は宿に隠れていなさい」


「わかりました。お父様」


聞き分けが良いことも焦りからかアダンは気づかなかったようだ。


私としても王の元へ行かないわけがなかった。

最悪、一家皆殺しもあり得る。そんな覚悟で父は王城へ向かっているのだ。私が何もしないのはあまりに無責任すぎるだろう。それに――、今の暮らしを気に入っていないと言えば嘘になる。

前世では孤独に戦っていたが、今の家族にも愛着はある。


「最悪、皆殺しにして王を乗っ取ればいい」


「おい、セフィーリア…… 冗談でもそう言うことはやめてくれ……」


どうやら口にしてしまっていたようだ。

まぁ、本音なのだが。


それから数日移動に時間がかかった。


王都へ着くと、前世でもみたことのない大盛況な街並みに目を奪われた。


だが、アダンは終始暗い顔をしていた。

それは当然かもしれないが……


そして、アダンはセフィーリアを宿に届けて王城へと向かった。


事前に早馬で通達をしていたのであろう。

王の間に案内された。


王との面会もスムーズにいった。


「アダン・アルカ=ベスティアでございます」

「うむ。して、どのような要件だ?」

「はっ――、実は私の娘のセフィーリアについてです。処分をやめていただきたく…… 私にとってたった一人の娘なのです…… そのためでしたら私の首を――」

「ほう、その娘というのは隣におる幼子のことか?」


アダンは、はっ――として横を見た。そこにはセフィーリアの姿があった。

「せ、セフィーリア!!」


「ほう、その娘が例の魔法適性ゼロという娘か」


「はい。そうでございます――」


アダンはセフィーリアに自分と同じようにかしづくように促した。


王はセフィーリアを見ると続きを口にした。


「この世界に魔法適性ゼロというのは前例がほぼない。もしかすると、その子は災いを招くかもしれぬ。過去に魔法適性ゼロの子が生まれたことで一国が亡びたこともある…… また、ある時は魔王になったという逸話もあるぐらいだ。そのような子を生かしておくことは果たして国益になるのか……」


「そんな……」


「我々はこの国を守るためには小さな犠牲は覚悟しなければならぬ。そちも我が国の貴族なら何をなすべきか分かるな?


「………………」


「ちっさい王様ね。子供一人にそんなに怯えること?」


その言葉を発したのはセフィーリアだ。


「ば、馬鹿!! やめなさい。相手は王様だ――」


魔法適性がない程度のことで、大げさすぎない?」


「幼子よ。口答えした不敬は幼き故だとして不問にしてやろう。だが、我が国の言い伝えにあるように危機を起こすのはいつの世も適正ゼロの人物なのだ。これは覆しようがない」


「所詮、過去のおとぎ話でしょう? それとも、たった一人でどうにかなるとでも思っているの? 私を生かしたほうがよっぽど国益だと思うわ」


「わはははっ、豪胆だな。幼子1人が国に匹敵すると申すか――」


「えぇ、この場で証明しても良いわ――」


「セフィーリア待ちなさい!!」


「そう来たか。良かろう。我にそれを証明して見せよ!」


「えっと、そこのあなたとあなた――」


セフィーリアは近衛騎士であろう兵と魔法兵であろう人物に指さした。


「あなたたち2人と私の試合をしましょう」




――――――

――――

――



宮廷に闘技場のような建物が置かれる場所があった。

先代の王が作った場所だ。


そこへと案内され――、木剣を渡された。


さすがに甘く見られているのか、セフィーリアの相手は騎士団の一人の青年となった。


試合の仲立ち人が問うた。


「王の命令だ。相手は幼子だが、全力で組み伏せよ。命を絶っても構わんとの勅命を受けている」


セフィーリアは木剣を構える。


「それでは試合、開始――――!!!」


始まった瞬間――


セフィーリアは一瞬で兵士の間合いに入り、木剣を振り下ろした。


兵士は慌てて、後ろへ引いたが。


「動きはいまいちね。ワーウルフのほうがマシじゃない?」


兵士は再び剣を構えるが――、木剣が切られていることに気づく。


「く、くそっ――」


兵士はそのまま拳でセフィーリアを殴ろうとするが――

視界からセフィーリアが消え、次の瞬間意識を刈り取られた。


「し、しょうぶあり!!」


「これで終わりかしら?」


「私が出ましょう!」


そうなのり出たのは、近衛隊の団長マークを付けている男――


「嬢ちゃん。見事だったぜ。次は俺が相手だ――」


ほぉ……、ただならぬ闘気を感じる。これは期待できそうだ。


「俺は近衛兵騎士団長のマークってもんだ。残念だが、手を抜いてやれないんでね。全力でいくぜ?」


「勝負開始!!!」


2人の間に火ぶたが切られた。

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武を極めて転生したら魔法絶対主義の世界に幼女として生まれ変わって完全にオワタ件について 夏野草 @natsunokusa_r

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