プライベートブランド
〇あらすじ
「未来は下見できない 東西爆笑王座争奪戦編」 エピソード『事務所ライブ開催①』より
ついに円城プロのメンバーだけで事務所ライブを行うこととなった。
事務所ライブのトップバッターは「シタミデミタシ」が担当する。
そんな彼らが最初に披露したネタ。
「シタミデミタシ」
ボケ:くがっち
ツッコミ:悟
――
「皆さんこんにちは、今日のかに座の運勢は第10位です!」
「だから何だってんだよ! シタミデミタシでーす、よろしくお願いしまーす」
「さとる、ぼく手に入れたいものがあるんだ」
「何だよそりゃ、最新のスマホか?」
「プライベートブランドが欲しい!」
「どうした急に? 思い切ったこと言ってるけど」
「プライベートブランドを手にして小売業界を牛耳りたいんだ!」
「急に壮大な話を出してきたなあ!」
「スーパーやコンビニに自分のブランドが並んでいると思うと、ねえ?」
「俺に同意を求めてくんなよ! その快感にこっちは興味ないんだから」
「すでにキャッチコピーも考えて来てるからね」
「くがっち随分やる気だな。教えてくれよ」
「その名も『彼女飯』。彼女がいなくたって、『彼女飯』!!」
「やめろって! フェミニストたちにぶっ叩かれるぞ!」
「なんで?」
「ファミマの『お母さん食堂』で大炎上した前例があるからな! 『彼女飯』なんて言った日にゃあフェミニストの総攻撃でやられるぞ!」
「てっきり彼女いない人たちからやっかみを受けるのだとばかり」
「そっちの線もあるかもしれんが、これは危険すぎる」
「楽しくなければプライベートブランドじゃない!」
「それも止めとこうかくがっち。ダメなんだよとにかく」
「じゃあこれはどう? 『ワンオーエイト』ってブランドなんだけど」
「今度は英語のブランドか」
「ロゴにお寺の鐘のマークをつけてと」
「待てよそれ煩悩の数じゃねえか! 108ってよお!」
「行き過ぎた食欲ってもはや煩悩だからさ」
「うるせえよ! せっかくなら購買意欲を搔き立てろよ!」
「でも、これもクレーム来そうだね」
「間違いなく来るだろうな……」
「国家安康、君臣豊楽ってどういうことだ!」
「なんで方広寺の鐘なんだよ! そのクレームは400年以上も前に終わってんだよ!」
「だったら大丈夫かな」
「もっと心配することいっぱいあるだろ!」
「じゃあこれはどう、今度は買った人が幸福になれるように名付けてみたんだけど……」
「いいじゃん、どんな名前なんだ」
「その名も『残り物』」
「やだよそんな名前!」
「『残り物には福がある』ってことわざがあるじゃない」
「お客さんはそこまで都合よく読み取ってくれねえぞ! ボツだボツ!」
「じゃあこれはどう? 『ツイツイカッチャウ』ってブランドなんだけど」
「こんどはえらい直球勝負に出たな」
「ロゴはトラックとドライバーさんでさ」
「長距離運送するトラックの運転手さんはコンビニでたくさん買うらしいけどさ!」
「いいじゃん太客なんだからさ」
「太客言うな! こういうブランドってもっと多くの人に刺さるものにした方がいいぜ」
「じゃあこれはどうかな? 今度はアイデアなんだけど……」
「どんなアイデアなんだよ?」
「人生にちょこっと役立つ豆知識を書いておくと面白いんじゃないかって」
「なるほどなあ、例えばどんなんだ?」
「マネーロンダリングをする時は、スイスに自分の口座を作ってそこを経由するといいらしい」
「んだよその怪しすぎる豆知識は!」
「え、さとるってぽたぽた焼きたべたことないの?」
「書いてねえよそんなん! おばあちゃんの知恵袋によお!」
「名案だと思ったんだけどなあ」
「全然そんなことなかったわ。あと、ブランドのロゴが付けられる場所ってそんなに余白がないぞ」
「ううっ、わが社を救うアイデアはないのか……」
「いつの間に会社を興したんだよ! アイデアしかなかったくせに」
「うううううああああああああっ!」
「どうしたくがっち、やけくそか?」
「誰がブランド立ち上げても、おんなじや、おんなじや思って。うううううああああああああっ! ああ、世のプライベートブランドを変えたいっ!」
「何でその人のモノマネをチョイスしたんだよ!」
「あなたには分からんでしょうねえ!」
「マジで分かんねえよ! それにそうなってるってことは、不祥事起こしたってことだからな!」
「やっとブランドを立ち上げたんですう!」
「まだ話の段階なんだよなあ。それも絵空事の」
「じゃあぼく決めたよ」
「この流れでか? どうしたんだよくがっち」
「ロゴは枠だけにしようと思う。これがぼくのブランドさ」
「それどういう意味だよ」
「それで『ノーブランド』ってブランドにしようと思う」
「ほぼ無印良品のパクリじゃねえか! もういいぜ、どうもありがとうございました」
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