第5話
「……アーク・ヴァロー。随分と派手にやってくれたようだな」
学園長室。ヴォルガノの威圧的な声が響く。
アークは、目の前のこの老人が「学園長」という偉い立場であること以外、何も知らない。周囲の調度品の豪華さも、彼にとってはただの「住む場所が違う人の持ち物」に過ぎなかった。
「説明しろ。魔力を持たぬ貴様が、どうやってDランクの生徒を返り討ちにした」
「……あいつらが先に魔法を撃ってきたから、身を守っただけです」
ヴォルガノが激昂し、杖を床に叩きつけようとしたその時。
部屋の隅、影に溶けるように立っていた、一人のフードの男が静かに口を開いた。
「……学園長。過ぎた追及は、魔導王様に報告せねばなりませんよ。」
その男は深くフードを被り、声は低く抑えられていた。
「......チッ。もう良い、下がれ。」
アークは「わかりました」とだけ短く答え、部屋を後にした。
その背中に、フードの男が、一瞬だけ慈しむような視線を向けたことにも、アークは気づくことはなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます