青の大洋(アクアリス)の旅路 ― 沈んだ光の彼方へ

浮遊珊瑚の門をぬけると、空から降り注ぐ光が海の波を反射し、沈んだ建物をより美しく、そして少し寂しく照らしていました。

まるで水の中に眠る街そのものが、昔の笑顔や物語をそっと抱えているかのようです。


「わぁ〜、建物がいっぱいある!」

ルミナの声は輝く光の中に溶けていきました。


「わぁ〜……わぁ〜……」


どこを見ても目を奪われる光景ばかりで、小さなクラゲ族の少女は夢中になって進んでいきました。


ルミナちゃんは景色にすっかり見惚れているようですね……あ!


「ゴツンッ」


と、小さな音とともにルミナは前につんのめりました。


「いったーい!」


ルミナは頭を押さえましたが、どうやら大きな怪我にはならなかったようです。


「ん?これは……」


ルミナの手には、小さな不思議な板が握られていました。

色あせた絵が描かれ、見たこともない種族らしき姿が浮かんでいます。


「これは?絵……?書かれているのは何の種族だろう?気になります」


ルミナちゃんは、頭をぶつけたその板をじっと見つめました。

その模様や線は、どこか懐かしく、でも見たことのない世界を想像させました。


ルミナちゃんは興味しんしんです!

ですが、このままでは旅になりませんぞ〜?


背筋をぴんと伸ばすと、ルミナは再び歩みを進めました。

沈んだ建物の間をゆっくりと、でも確かな足取りで進んでいきます。


廃墟の壁に刻まれた文字を覗き込み、

彩色の硝子片が散らばる床をそっと踏みしめ、

水草が揺れる回廊の先に、また別の出口を見つけました。


「……こんなところで止まってちゃダメだ、もっと色んなところに行って、いろんな遺跡を見なくちゃ」


ルミナは小さく呟くと、また泳ぎ出しました。

目の前にはまだ見ぬ光景、まだ触れぬ謎、そして新しい出会いが待っているのです。


ルミナちゃんは張りきっています。

次なる出会いと謎を解明するために。


波のささやきが優しく彼女を包み、

光の粒が進むべき道をほんのりと照らしていました。


そして――ルミナの旅は、なおも続きます。

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アルケオン 海遊物語 れんP @R134134

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