第3話 「工業高校生の一日」

「公式が出した企画が思ったより闇だった件 ~工業高校生の一日~」


「えー、どうも。公式企画です」


神狼零は、いつもより少し硬い声で配信を始めた。


「今日は**“工業高校生の一日を紹介する配信”**です」


【来た】

【公式が許した闇】

【笑っていい?】


「最初に言っとく。

 途中で空気重くなるけど、コメント欄は自由にしていい」


【保険張るなw】

【もう不安】


■ 6:00 起床


「朝は早い」


スマホのアラームが鳴る前に目が覚める。

「二度寝?できると思うな」

【高校生だぞ】

【社畜の発言】

「実習ある日は遅刻した瞬間、“やる気ない判定”入るからな」


作業着に着替える。


「これ制服な。なお、油染みは取れない」


【新品でも即汚れるやつ】

【もはや味】


「母親に『また油くさいね』って言われる」

「俺のせいじゃねぇ」


■ 7:30 登校


「電車の中」


リュック重い。

中身は夢じゃなくて工具。


【詩的で草】

【夢より重そう】

「周りの普通校の制服見ると、一瞬だけ“あれ? 俺、社会人?”ってなる」

【分かる】

【高校生の皮を被った労働者】


■ 8:30 朝のホームルーム


「先生の第一声」

『安全第一』

「二言目」

『怪我したら人生変わるぞ』

【重すぎ】

【脅しじゃないのが怖い】

「冗談じゃないのが一番キツい」


■ 9:00 実習


「はい、ここから本番」


旋盤、溶接、制御盤。

音がデカい。

空気が張りつめる。


「先生、声もデカい」

【工業高校あるある】

【怒号がBGM】

「でもな、理由は単純」

「ミスると指飛ぶ」

【急に闇】

【笑えねぇ】

「だから怒鳴る。優しさだ」

【優しさの形が物理】

「たまに先生が生徒にストレス発散で怒鳴り散らすこともある。」

「しかも、集中力切れた瞬間、終わるからな」

「なお、集中しててもたまに終わる」

【怖いこと言うな】


■ 12:30 昼休み


「昼飯」


手、洗う。

洗う。

洗う。


「油、取れない」

【無限ループ】

【その手でスマホ触りたくない】

「弁当食いながら、みんなだいたい無言」

「話題は」


・就職先

・資格

・どこ受ける?


【高校生とは】

【進路会議早すぎ】

「青春?知らない科目です」


■ 13:30 座学


「午後は地獄」


電気回路、数学、製図。


【眠くなるやつ】

【実技だけじゃないんだよな】

「“工業=楽”って思って入ると詰む」

「普通に勉強するし、普通に落ちこぼれる」

「で、落ちると」

『やっぱ工業だな』

【偏見セット】

【理不尽】

「便利な言葉だよな、それ」


■ 16:00 放課後


「部活?」

「あるやつもいる。でも多いのは」


・バイト

・資格勉強

・家の都合


【現実】

【重い】

「“就職がゴール”って空気が、 もうこの時間から漂ってる」

「大学行きたいって言うと」

『珍しいね』

「夢がレア扱いされる」

【しんど】

【でもリアル】


■ 18:00 帰宅


作業着を脱ぐ。


「この瞬間だけ、人間に戻る」

【草】

【進化前みたいに言うな】

「風呂入っても、油の匂いは若干残る」

「多分、魂に染みてる」


■ 20:00 配信準備


「で、ここからVtuber」

【切り替え鬼】

【二重生活】

「正直、疲れてる日もある」

「学校じゃ『現実見ろ』って言われて」

「ネットじゃ『夢を見せろ』って言われる」

「板挟みだ」

【胃が痛い】

【応援したくなる】

「でもな」


零は少しだけ声を強くする。


「配信は、俺が“自分で選んだ場所”だ」

「だから続けてる」


■ 23:00 就寝前


「布団入ると考える」

「俺、このままでいいのかなって」

【急にエモ】

【やめろ泣く】

「まあ、明日も実習あるから強制的に寝るけどな」

【現実に殴られる】


零は小さく笑った。


「これが、 工業高校生の一日だ」

「笑えるとこもあるし、笑えないとこもある」

「でも、全部リアル」


コメント欄がゆっくり流れる。


【知れてよかった】

【軽く扱えない世界】

【応援する】

「じゃ、今日はここまで」

「明日も油まみれだ」


配信終了ボタンを、

今度は三回確認して押した。

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工業高校VTuber闇を出す 窓際開拓工房長 @aoi0216yuzu

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