第31話 閑話 ◇女子会




「で、で!?プールでのアレってどういうことなの?天鈴ちゃん!」

「そ、それは・・・」

「それは?」


私は女子に割り振られている部屋でルーに迫られている。ルーは少し興奮した様子で私に近づいてきている。


ルーがこうなった理由は今日のプールでの出来事が原因ですわ。私が足を滑らせて神威に助けられたことをすれ違った際に伝えたためこうなりましたわ・・・。


「天鈴ちゃんはあの時、おにぃちゃんに助けられた時に肌を触れられてドギマギしてたよね〜」

「楓香さん!?」

「アッハハ〜、慌てなーい慌てなーい。慌てすぎてテンパってるよー?」

「か、からかわないでください!!」


私がルーが聞いてきたことに答えられずにいると、楓香が隣からあの時の私の様子を答えられた。その顔はニヤニヤといった笑みを浮かべている。私はそんな楓香を慌てて止めるように名前を呼んだ。私が慌てて呼んだせいか、楓香は私のことをさらにからかってきますわ。私がやめるように言ってものらりくらりと躱される。


「まぁ、あの水着だったから仕方ないと私は思いますけどね」

「うっ・・・・・・」

「あー!確かに!天鈴ちゃん、私達よりも少し露出しているところが多かったしね!」

「そ、それは・・・その・・・・・・」


そんな中、さらに私の傷口をつついてくるナタリー。私は痛いところを突かれて呻き声をあげる。そこから次はルーが私の水着のことを言ってきて私は口ごもってしまう。


私達の学校は学校指定の水着(スクール水着)というものがなく個人で揃える必要があった。そのためそれぞれの特色が出やすいのですわ。数ある水着の中で私は白のフリル水着を着ていましたわ。


そのため私が神威に腰に手を添えて支えられた時に肌に触れられたのですわ。しかも、そのあとは抱きしめるようにして受け止められたので余計に・・・・・・。・・・思い出しただけで恥ずかしいですわ!


「あ、あまり触れないでくださいまし・・・」


私は言う度に声が小さくなっていく。あの水着は私でも今更だけど、どうかと思ってるのですわ・・・。


「で、おにぃちゃんに抱きしめられてどうだった?天鈴ちゃん」

「へ!?そ、それは・・・」

「あ!それルーも気になる!」

「えっ!?」


私はここぞとばかりに楓香とルーに責められる。助けを求めるようにナタリーの方を見るけどナタリーは巻き込まれたくないのかスルーされた。2人はジリジリとこちらに近づいてくる。


「ほらほら〜、早くいいなよ〜」

「天鈴ちゃん!どうだったの?」


私がベッドに座って後ろに下がっていく。すると背中が壁に当たる。


「ぁ・・・」

「ふふっ、追い詰めたよ天鈴ちゃん」

「色々と聞かせてもらうからね、天鈴ちゃん」


私はこれ以上、下がれなくなっている中で2人に近づかれる。2人は興味津々といった風に私に詰めて聞いてくる。


「おにぃちゃんに抱きしめられてどうだったの?」

「天鈴ちゃん、どうだったの?」


楓香はまだ揶揄うつもりで私に聞いてくるから大丈夫だけど、ルーに聞かれると私は困るわ。だってルーは純粋にどうだったかを聞いてきてるからタチが悪いのですわ。


私は詰められてあまり答えたくなくてベッドの布団を持って顔を隠す。それと同時にあの時のことを思い出して顔が赤くなりはじめたからあまり見られたくなくて隠したのもあるわ。


「どうだったの〜?」

「教えてよ!天鈴ちゃん!」


2人は布団を剥がそうとはしないけどずっと聞いてくる。そのため、私も覚悟を決めて少しだけ顔を上げて目だけを出す。


「神威には言わない・・・?」

「おにぃちゃんには言わないよ!」

「うん!ルーも言うつもりないよ!」

「し、信じるわよ・・・?」


私はほんの少しだけ顔を上げて2人のことを見る。私は2人のことを信じて抱きしめられた時のことを言う。


「──ま・・・た」

「天鈴ちゃん、悪いんだけど聞こえなかったからもう一度言ってくれない?」

「天鈴ちゃん、ルーも分からなかったから・・・」

「ッ・・・。たくましかった!男の子って感じがしたわ・・・・・・」


私は耳まで顔を染めて2人に聞こえるほどの声で伝えた。2人は私の言葉を聞いて納得していた。


「あー、おにぃちゃん鍛えてるからね・・・」

「確かに神威君鍛えてるって言ってたもんね」

「も、もういいでしょ!?私は言いましたわ!」


私は急いでこの話を切ろうとする。けれども2人は逃してくれなかった。特に楓香はこれからが本番といった風に目を光らせた。


「まぁまぁ、天鈴ちゃん。少し待ってよ」

「そうだよ!天鈴ちゃん、この際だから気になってたこと聞くんだけど・・・神威君のこと好きなの?」

「すっ・・・!?私が神威を!?」


私は急にルーから言われて驚いた。私が神威のことを好きかと言われたこともそうだけど、一番そういうのに疎いと思っていたルーから聞かれたこともあって余計に。


「え!?そうなの!?天鈴ちゃん、おにぃちゃんのこと好きなの!?」

「それは・・・・・・驚きですね」

「ルーはそう感じたんだけど違う?」

「ま、まだ好きにじゃないから!!」


ルーの言葉を聞いて楓香がより私に近づいて聞いてくるわ。ナタリーは自分のベッドの上で聞いていて驚いてますわ。私はルーに聞かれて咄嗟にそう答えた。


「・・・“まだ”?それじゃあ気になってはいるってこと?」


楓香にさっき言われたことを突かれて私は息を飲む。私は大慌てで否定するけれど楓香は突いてくる。


「じゃあ、どうしてまだなんて言ったの?少し気になってるんじゃないの?」

「そ、それは言い間違えで・・・!」

「だとしてもまだは言わないとルーは思うよ」

「ッ・・・・・・」


何気ないルーの一言が私の心に突き刺さる。

私が神威のことを好きではなくても・・・気になって・・・?そ、そんなことあるわけ・・・。


「天鈴さん、ちなみにですけどかいさんの隣に天鈴さんは知らない人と一緒にいます。かいさんはその人と仲が良いみたいで笑いあっています。その様子を見て天鈴さんはどう思いますか?」

「ど、どう思うってそれは・・・」


───モヤッ。

な、なんで嫌に思いますの・・・?神威が誰と居ようとも私には関係ない・・・はずですわ・・・・・・。それなのに・・・それなにどうしてモヤッとするのですの・・・?


「アタシは天鈴さんがどう思ったかは分からないし聞こうと思わないです。けど・・・・・・今、天鈴さんが思っていることが答えだと思いますよ」

「ッ・・・・・・ナタリー・・・」


ナタリーって実はエスパーとかではありませんの?なにか・・・全て見透かされているように思えて仕方ないのですわ。


「あ、好きといえば楓香ちゃんはどうなの?ホセ君と仲が良かったみたいだけど・・・」

「両想いですよ。この2人は」


ルーが楓香とホセのことを聞くとナタリーが暴露しましたわ。暴露された楓香は顔を少し赤に染めてモジモジし始めましたわ。


「あ、アハハー、この前告白されて付き合ってます・・・」

「はい!?付き合えたの!?いつ!?なんで教えてくれないの!?」


さっきまで落ち着いていたナタリーが楓香に詰め寄って肩を掴んでは揺らし始めましたわ。さらに、その時に今までの愚痴のようなことを伝えていますわ。


し、小5で付き合うことになりましたの・・・?進んでいると言うかなんというか・・・。凄いですわね・・・。


「ただでさえ、2人のことで音楽科と料理科の皆から聞かれ続けてたんだよ!?アタシとかいさんが!!その時のアタシ達の感情分からないよね!?」

「ご、ごめんって・・・。伝えるのが遅れただけじゃん・・・」

「それでもアタシ達がずっと聞かれてたことに変わりないんだよ!?あぁ・・・このあとかいさんにも伝えておかないと。めんどくさくなる前に・・・」


私とルーは2人の会話ついていけずに固まっている。ナタリーがほとんど全ての愚痴を言い終えたら、ナタリーは遠くを見始めた。


どうやら相当聞かれて溜まっていたようですわね・・・。この様子だと神威も神威で聞かれているみたいですし・・・・・・少し同情しますわ。


「はぁ・・・・・・次から2人のこと聞かれたら付き合ってるって答えるからね?」

「な、なんかごめんね?」

「ホントにね」


ナタリーは言いたいことや聞きたいことは聞き終えたのかノソノソと割り振られた自分のベッドに戻りましたわ。


「整理したいから先に寝るね」


ナタリーはそう言ってベッドに入って横になりましたわ。私達はナタリーがそうしたため、それぞれが自由に消灯時間まで過ごすことになりましたわ。



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