第24話 カレー作り
「せんせー、後何箱ありますかー?」
俺はそんな言葉とともに食料庫に入っていく。今は、オリエンテーリングの次のイベントであるカレー作りの準備中である。既に材料を記載された紙を各班に配っているため、それらの分を食料庫から取り出している。各班、人数がバラバラなため別々に作った紙を教員が班のリーダーにあたる子に渡していた。俺にも渡されたけどすぐに風紀委員組に渡した。俺達が受け取っても準備しているから取りに行くことが出来ないから。
「あと、人参と玉ねぎが3箱、ジャガイモが5箱にルーを入れた箱が1箱だ。肉はこっちじゃないから分からんがな」
ここを担当している教員が笑いながら答えてくれた。俺はそれを聞いてすぐさま教員の隣にいき置いてある箱を2箱持ち上げる。
「大丈夫か?雲龍兄」
「問題ないです。これならまだ行けます!」
「よし!頼んだぞ!」
俺は持ち上げて外に向かう。外に出ては食材を並べてあるところへと落とさないように気をつけながら歩く。ときどき、他の学科の生徒会員とすれ違いながら行く。一部は、落とすなよーと煽ってるのか心配してるのか分からない発言をしてきているが。
「雲龍兄、それは何と何だ?」
「両方ともジャガイモです。後、人参と玉ねぎ、ジャガイモが3箱、ルーが1箱残ってます」
「なるほど・・・・なら、雲龍兄は肉の方に行ってくれ。あっちは女子が多いから進行が遅いはずだ。こっちは残りで終わらせておく」
「分かりました」
俺は確認している教員にそう言われたため、肉を準備しているところへと向かう。こっちに女子を固めていたため、向かう最中は頻繁に女子とすれ違った。お互いに会釈しながら受け渡しをしている教員の元へとたどり着く。
「雲龍さんのお兄さん?」
「はい。向こうがほとんど終わったのでこっちの手伝いをということになりまして・・・・」
「ありがとう!それじゃあ早速だけど持って行ってくれる?」
「もちろんです。コレですか?」
「えぇ。お願いするわ」
着くと教員に聞かれる。今の言い方的に多分、楓香達料理科の教員なんだろう。他の教員だと基本、さっきまでのように雲龍兄や下の名前で呼ばれるからだ。俺は近場に置いてある肉を入れた箱を持ち上げて持っていく。回数的に2、3往復したら終わるといったところだ。
その後も、男子で終わった人が続々とこっちに来ては手伝い始めたためあっという間に準備を終えた。俺達生徒会員は準備を終えたから各自、自分の班に戻って行った。
「それでは各班、食材と道具を持っていってください」
俺達の班は少しタイミングをズラして食材と道具を取りに行くことにした。今行くと混んでるため時間がかかると思ったからだ。少しタイミングをズラしたおかげで楽に取りに行くことができた。食材と道具を取った班から指定された場所に行く。俺達の班は2箇所使うことになっている。
「さて・・・・誰が主導でやっていく?正直に言うと料理科二人でいいと思ってるんだが・・・・」
「二人が良いならいいんじゃないかな?ナタリーちゃんと楓香ちゃんどうかな?」
「アタシは問題ないですよ。料理科ですからここ以外あまり出番ないと思うので」
「私も問題ないよ。あ、でもこれだけ聞いておくよ。皆アレルギーは大丈夫?」
結果、料理科二人が主導で作っていくことになった。楓香が全員に向けてアレルギーのことを聞いたけど全員が否定したため一般的なカレーを作ることになった。
「それじゃあ役割決めてくよ。男子は基本火を起こして火の番をしていて。あ、おにぃちゃんは食材切る方にきてね」
「・・・・・・なぜ?」
「慣れてるでしょ。家でも寮でも料理してるって聞いてるから逃げないでよ」
「・・・・分かった」
俺は楓香に言われたことに対して渋々返事を返す。これにより俺は火の番ではなく食材を切ることになった。ルトからはごめんと言われた。
まぁ別に問題はないんだけど。
「それとふぅちゃんもそっちだから。後1人・・・・はルーシャさんにお願いしましょうか。ルーシャさん出来ますか?」
「大丈夫だよ!これでも少しはやってるからね!」
最終的に俺と楓香の雲龍兄妹とルーシャを加えたこの3人が食材を切ることになった。残りの女子はジャガイモや玉ねぎ、人参の皮むき。男子は言った通り火の番となっている。そして、手が空いた人が飯盒を使って米を炊くことになった。俺達は早速とばかりに手を洗ってから作業に取りかかる。
「正直思ったけどこの交流会って結構暇な時間多いよな」
「まぁここの学校ってどの学科も自由を謳ってるからそんなもんでしょ?」
「そうだよ!それに私は沢山話せることができて楽しいよ!」
俺達、食材切り組は切りながらそんな会話をしている。各々が何を切るかを役割分担しているため案外スムーズに行っている。ちなみに、楓香が人参、俺が玉ねぎ、ルーシャがジャガイモとなっている。
「目に染みるぅ・・・・」
さすが玉ねぎというべきなのか切れば切るほど刺激されて涙が出る。メガネやゴーグルを使えば緩和されとは聞くけど生憎こんな所にそんなものはないから耐えるしかない。
「火の番してる人達〜、そっちは順調?」
「見てるだけだから特にすることもないよ」
楓香が切りながら聞く。それに対してぺぺが暇そうに返してきた。
「もうすぐで入れ始めるからね!」
そんな様子に見かねたのかルーシャがすぐに反応した。食材を切っているのは俺だけだが、切る範囲は後4分の1なのですぐに終わる。
「よし、終わり!」
「それでは入れていきますか」
「そうですわね。半分にする必要がありますけど」
俺達、食材を切っていた3人は感覚で半分ずつ鍋に入れる。その後、火の番をしていた男子が代わって食材全体に火が通るように混ぜる。料理科2人から見て、ある程度火が通ったと判断されたら水を入れて蓋をする。その横では米を入れた飯盒も一緒に炊かれている。
「後は火の番をしてときどき確認するくらいか?」
拓矢が火の番をするようにしゃがんだ状態で聞いてくる。
「そうですね。ほとんど放置という状態が合ってますね。飯盒もまだ時間がかかりそうですし」
ナタが飯盒の方へと視線を向けて言う。俺はその様子を見て使っていた道具の方へ振り返って言う。
「それじゃあ、その間に俺は包丁とかピューラーを洗ってくるか・・・・」
「それなら私も行きますわ」
「それじゃあおにぃちゃん達お願いするね」
料理科二人は離れられないから俺と鳳凰に洗うことを任せた。俺と鳳凰は使った道具を纏めて手に持って洗い場に行く。
「女子は順調なのか?」
「どういう意味で聞いているんですか?」
「単純に仲良く出来てるか知りたかっただけだ。ほぼ強引に俺が集めた感じだからな」
「・・・・・・罪悪感があるのなら問題ないですわ。仲はいい方になってると思ってますわ」
「なら良かった」
俺達は洗い場に置いてあったスポンジと洗剤を使って洗いながら会話する。
「この調子で怪物も来ないと嬉しいですわね」
「あまりこの場でその話題を出すな。いつ、誰に聞かれてるか分からないぞ」
「それは・・・・失礼しましたわ」
「してもいいが念話にしとけ」
「そうですわね」
俺達は水で泡を流して、水をきりながら話す。この後は使ったこれらを回収場に持っていくだけだ。俺達は持ってきた時のように纏めて持ち上げる。回収場にいた教員にこれらを渡して自分達の班に戻る。
戻った時には飯盒は炊き終えており、カレーの鍋は蓋を開けられていた。
「あ、おにぃちゃん」
「完成した感じか?」
「うん。2人がいない間にね」
「・・・・そんなに時間が経ってたのですね」
俺と鳳凰はお互いに驚いた。個人的にはそこまで時間は経っていなかったと思っていたら案外経っていたとは。
「それじゃあ、あとはつぐだけか?」
「そうだな。お前らが行ってる間に皿とかも貰ってきたしな」
拓矢が机の上に置いてる皿とスプーンを指さしながら言う。その後、1人1皿もち各自ついでいく。他の班の様子も見てみたが何班かは完成しているため順調に進んでいたことが分かった。全員がついで席に着く。
主導してやってくれていた料理科2人に音頭は任せた。
「オリエンテーリングお疲れ様でした」
「この後はしっかりと休もうね!」
「いただきます」
「いただきます」
ナタと楓香が交互に音頭を取ってから挨拶をして、それに続くようにして言った。
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