1章 閑話

第18話 ◇ゼロ達から見た神威


僕達は今、情報共有という名目で神威の部屋にお邪魔している。といっても全員がいるわけではなく、僕とアーシャのみが来ているわけだけど。朝からこの3人で集まってこれからのことを決めに来たわけだ。


「先輩、結局どうする?少なくとも一度は全員で戦うことをしたいんだけど・・・」

「私もそうしたいとは思ってるんだけど中々合わないんだよね?皆の日程が」

「そうです・・・・なんせ全員が生徒会か風紀委員に入ってるし。それこそ今は時期的に体育大会や文化祭といった学校行事が被ってるから・・・・」


僕達は神威が表計算ソフトで作った表を見ながら唸る。そこには、一番上の横列に名前が書いていて一番左には日付が書かれていて中に〇と✕が書いてある。神威曰く、〇が入れる日で✕が入れない日であると。見てみると先程神威が言った通り行事関連で手薄なときにしか全員入ることができていない。しかも、今月入ってくれてるメンバーのほとんどは風紀委員組の四人。僕達は会長に任せることはできても事務作業が多くて中々時間がとれていないんだ。


「中々日程が合うってことがないよね。生徒会の方は会長達に任せることが多くて、当日に動くことが基本だけどね。風紀委員はそうはいかないからね」

「です。ほぼ毎日のように巡回しては他学科と連携し始めてますからね」

「まだ風紀委員が日中で終わることが多いから助かるよね」


神威はその言葉に首を縦に振り頷く。風紀委員の四人には任せてしまうけど今月は頑張って欲しい。


「遅くても俺達五年のメイン行事の自然の家の前にはしておきたいなとは思ってる」

「となると三ヶ月先くらいだね。その間だと今の体育大会の後数週間後には文化祭。終えてすぐにテスト。テストが終わると十二月」

「そうなるとクリスマス会が生徒会と寮生会合同で動き始めるから歳を跨ぐ前後くらい?」

「くらいしかないって感じか・・・・」


僕達はまた唸る。今の予定だと中々ないなと思いながら。


後、神威の今までの口調から分かるようにタメ口になっている。この前の会議の後、グループチャットで『これから戦っていく仲間だからタメ口にしよう』とアーシャが言い始めてから可能な限り神威達はタメ口にしていってくれている。まだ日が浅いから未だに敬語が出たりしているけど。


「まぁこれは今の行事終えてからまた考えよう」

「そうだね。今、私達が悩んでも仕方ないしね」


神威は表を綺麗に折り、持って立ち上がる。どうやら片しにいくみたいだね。彼は自室に入りすぐに戻ってきた。僕は戻ってきたタイミングでふと不思議に思ったことを聞く。


「ところで神威。君って基本大人びてるけど何かあったの?」

「あ〜・・・・、やっぱり分かる?」

「確かに同級生とかのことを見たら大人びてるとは思うね。天鈴ちゃんも大人びてるとは思うけど彼女は家柄的にそうだって知ってるからね」

「・・・・ギリシャ神話のアイオーン様分かる?」

「時間を司る神でしょ?あの神がどうかしたの?」


僕は散々気になっていた大人びていることを聞く。確かに神威のところは世界的にも有名な家だけどアソコは大事なことだけ覚えさせて後は放任主義と聞いている。逆に神威と同じで大人びてる天鈴さんは家もそうだけど教育方針がソッチ方面なため、あの年齢から大人びていてもおかしくないしね。


「その神と師匠が結託して、神界の進む時間を早められた状態で怪物が多い島に放り出された。しかも一人で」

「・・・・・・え?」


僕達はそれを聞いてとても困惑した。僕達も似たようなことをされたけどその時はアーシャと一緒だったしそこまで怪物も多くなかったし、時を早められることもなかった。


「どう足掻いても、泣いても誰も来なかったから自然とそうなった。だから他の人と比べて余裕があるんだと思う」

「な、なるほどね・・・・」

「それは・・・・・・波乱万丈だったね?」

「そのため精神的にも身体的にも成長できたから喜んでいいのかなんていうかって感じで・・・・」


その言葉に僕達はアハハ・・・と苦笑することしか出来なかった。まさか、神威が過去にそんなことをしているとは思わなかった。


「多分、師匠や爺ちゃん達なら知ってると思うよ。映像があるかは分かんないけどアレで色々と変わったから・・・・」

「例えばどんな風に変わったの?」

「性格とかだね。戦闘時だと結構変わったよ。その前なら一体ずつ倒してたけど範囲でやれる技を作ったりしたし」


アーシャがはぇ〜と言う声をあげた。確かに神威だと全ての神の愛し子だし範囲攻撃の技の種類とか多そうだね。武器も主武器は刀とは言ってたけど一通りの武器は使えるみたいだし。


「どんな範囲技が多いの?神威」

「それこそ武器だと魔法を乗せた斬撃とか魔法系だと爆発魔法とかそういうのが多いな」

「漫画の技とか参考にしたりしてるの?」

「してるね。正直、戦闘が多い作品は結構参考にしてオマージュしてる」

「やっぱり参考になるんだね・・・・」


僕が神威に聞くとやっぱりそういうものが多いみたい。僕もするとしても斬撃を飛ばしたり魔法で遠距離から範囲技をするだろうしね。


「あ、後は日常にあるもので考えてみてはアソコでいつも試し打ちしてるね」

「日常にあるもの?」

「そう。例えば太陽とか星、竹とか」

「竹?」

「そう。竹槍を創って雨のように降らすことをしてた。威力は強くないけど足止めには使えることが分かってるから」


神威から聞いて竹って使えるのかと思ったけれどそういう用途なら確かに使えるね。そっか、足止めっていうのも考える必要があったんだね。


「この後アソコ行って試し打ちするんで見に来る?」

「え?いいの?神威くん」

「いいよ。減るもんじゃないし」

「それなら邪魔させてもらうよ神威。アーシャも行くでしょ?」

「もちろん!少しでも糧にしないと!」


アーシャはふんすっといった風に気合いを入れた。そして、僕達はこの前の会議の時に教えられた言葉を言う。


「交差する神界ゴッド・オブ・フィールド・クロス


そうしたら僕達三人は光に包まれて移動した。次に目を開いたらこの前会議をした家の前に出た。


「着いてきて。試し打ちしてるところ離れてるから」


僕達は先導する神威の後ろを着いていく。その間に周りを見てみる。すると周りは建物が多く、日本家屋が多いのかと思いきや各神話の場所の建物も多々あった。それを見て、ここはどの神でも来れるくらい混じってるんだと再認識した。そう思っている間に神威が立ち止まった。


「ここです」


前に目を向けると数体のカカシのようなものがポツンと開けた場所に立っていた。


「それじゃあ、やっていくから適当に座っててくださいよ」


神威はそういって前に進んでいく。僕達はその近くにあった切株の腰を下ろす。下ろしたら神威のことを見る。神威はそのタイミングで左手を上にあげて勢いよく振り下ろした。


僕達は何か起きたのかとカカシの方を確認するけど何も起きていなかった。だから僕達は見合って、揃って首を傾げた。そうしてると上から音がし始めた。僕達は上を見上げる。そこには、星型の巨石が青色を纏って何個も落ちてきた。そしてカカシにあたって爆発を起こした。


流星群レイン・スター


神威はそう呟いた。まさに流星群。その名の通りの威力、迫力だった。


「すごい・・・・ね。魔法って解釈次第ではなんでもできそうだね」

「そうだね・・・・。漫画にも似たようなのがあるのかな?それなら参考程度に見てみるのはありかもね」


僕達は神威の放った攻撃技を見ながら話し合う。それこそアーシャは魔法をメインにしているから参考になるのが多いんだろうね。


これを見て僕達もまだまだなんだと実感させられた。今度暇な時を見つけてゼウス様達に鍛えてもらおうと思った一日だった。




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