第14話 風紀委員
あの日からルトや鳳凰達にも伝えて、先輩達を俺の部屋に誘って話し合おうと思ってたんだけど全員中々時間が取れなかった。先輩達とは連絡のためにチャットの交換もしていたから今更ながらグループチャット作れば良かったと後悔した。
そんなこんなしているうちに何日か経って今日は生徒会と同じくらい、生徒内で権力がある風紀委員の集合日だ。今は生徒会の時と同じようにゼロ先輩と一緒に俺達が付いていってる。ゼロ先輩とアーシャ先輩とはどの先輩の中でもより親しくなったと思う。前からゼロ先輩の学年には、たまに作った菓子をあげていてそれ関連で連絡してたのもある。
俺はゼロ先輩と話しながら、ルトとルーは後ろを2人で話しながら付いてきている。2人は前まで、あまり話し合ってなかったのに最近は異様なくらいこの2人は親しくなってる。多分、波長があってるのか意気投合する何かがあったんだろう。最近は2人でいることをよく見る。
「風紀委員って何人いるんですか?」
「50人前後だね。どの年も大抵それくらいいるからわざわざ全員を覚える必要はないって言われてるよ」
「50前後って・・・・・・それだけいたらそうなりますか・・・。言えば1クラス分よりも多いですもんね・・・・」
「そうだね。だから3人ともわざわざ風紀委員全員の名前なんて覚えなくていいからね。どの風紀委員長も覚えなくていいって言ってるから」
「はーい」
流石に俺達の会話を聞いていたようで後ろの2人からも返事が返ってくる。俺は、後ろは後ろで盛り上がっていたからてっきり聞いてないものだと思ってたから驚いた。
「神威、その顔は何?」
「いや、なんでもない」
その表情を見られたため、ルトは俺に訝しげな顔を向けて言ってくる。俺は何もなかったかのような表情を貫き通す。
各委員会がある階に着いたら生徒会の時と同じように廊下の端に向けて歩いていく。1番奥の生徒会室の1つ手前。そこが国際交流科・風紀委員の教室である。そこの扉の前に着いた俺達は静かにする。
静かになったことを確認したゼロ先輩が扉を4回ノックする。中から「どうぞ〜」とゆったりした声が帰ってくる。先輩はそれを聞いたあとガラッと扉を開けた。
「失礼します。中等部1年のゼアロです。去年同様に5年生を連れてきました」
「失礼します。雲竜神威です」
「失礼しまーす。ルイス・カルロス・キリアン・ロイスでーす」
「失礼します!ルーシャ・アミン・アーレフです!」
俺は風紀委員室に入ってギョッとした。横目で他の3人を見たらルトとルーシャもギョッとしていて、ゼロ先輩は呆れていた。
俺達がギョッとしたわけは、めちゃくちゃ散らかっていたからだ。プリント類やクリアファイルは会議机の上に散乱していて、高等部の先輩達が飲んだ・飲むであろうエナジードリンクのようなものが机の上に置きっぱなしだからだ。尚且つ、風紀委員で必要な物を買ったであろうダンボールも捨てられずに放置されていて缶ゴミがパンパンであるからだ。極めつけに、委員長達であろう人達は机に突っ伏している。
「ハァァァァ・・・・。委員長、ちゃんとしてください」
ゼロ先輩が机に突っ伏しているストレートロングの女性の先輩を揺さぶる。その先輩は気だるそうに体を起こして俺達の方を向く。
「あー、ごめんね〜。こんな委員長で。去年の委員長達から引き継ぎされてなくてここ連日はこんな状態なんだ〜。もー!!先輩ー!恨みますよー!!!」
俺達は少し・・・・いやだいぶ引いている。なんとなくこの先輩は残念美少女って感じがする。
「はぁ・・・・。委員長、忙しいのは分かりますけど言ってたんだからしっかりしてください」
「分かったよ〜。といっても〜風紀委員はその名の通り〜、学校の風紀を正す委員会だよ〜」
「委員長、普通に説明してください」
「しょーがないな〜。基本的にはこの国際交流科だけでいいよ。学校行事になると他の学科と合同だからそこだけ気をつけてね」
「今はこの人数というか俺達6人しかいないけど本来はもっといるけど皆トランシーバー持って行ったり部活していないから」
「ここは生徒会と違って定例会議はない分生徒が入れてる全体連絡アプリにいろいろと出すあら毎日確認しておくことを勧めるわ」
ゼロ先輩が委員長をしっかりするように促すとふんわりとした雰囲気で体を左右に揺らしながら喋りはじめた。そのためゼロ先輩に呆れたように伝えた。言われたため、ちゃんとした喋り方にした。その間に机に突っ伏していた他の役職持ちの先輩達も起き上がる。起き上がった先輩達が次々に説明してくれる。俺達は言われたことに返事を返した。
「あとは・・・・・・ゼアロちゃんに聞いて。ゼアロちゃんには悪いけど」
「委員長その“ちゃん”やめてくださいよ」
「やだ〜。皆にしてるし今更誰かの呼び方を変えることはしないよ〜」
「はぁ・・・・人数分のトランシーバーください。説明ついでにやってくるんで」
「分かったよ〜。はい、トランシーバーね〜。5年生の皆もはい〜」
「あ、ありがとうございます!」
「ありがとうございます」
俺達は委員長からトランシーバーを受け取る。ルーとルトは元気に返事を返していたけど、俺は会釈だけで済ます。俺はすぐに胸ポケットに入れてイヤホンを片耳に差す。そして電源を入れておく。これで聞こえるようになって連絡を入れることができる。
「それは1年間は君達がしっかりと持っててね〜。意図的に無くしたり壊したりしたら弁償だから気をつけてね〜。それじゃあゼアロちゃん頼んだよ〜」
「分かりました。それでは委員長方、失礼します」
俺は委員長の言葉をしっかり胸に刻んで深く頷く。そして、ゼロ先輩が出ていくため俺達も付いて出ていく。その際に会釈は忘れずに。
出た後は外に向けて歩き出す。
「これからの時間が風紀委員の仕事は多くなるからね。主に学年が違うところ同士の争いや部活のいざこざでね」
「あー、下校時間になるから・・・・ですか?」
「そうだよ。だから一番大忙しのタイミング。それこそ今なんてそうだよ。慣れてきた新入生に上の学年が何か言うなんてことは。または同じ学年だけどクラスが違ってとかでね」
「・・・・・・面倒くさそうだね!」
「実際その通りだけどするのとしないじゃ差が出るからね」
「確かにそうだね」
外に向かってる途中でゼロ先輩が教えてくれる。今は全員が横になって話している。ゼロ先輩はなんで絡むかなぁとボヤく。それを見た俺は落ち着かせるように動いてる。そうして外に出て部活をしている棟に向かって行く途中で喧騒が聞こえた。
「先輩、今の・・・・!」
「そうだね。方向的に門の方だからこれは上級生が下級生に絡みにいったやつだね・・・!」
「ゼロ兄!急ごっ!」
「あ!ちょっと!?ルー!?」
俺が先輩に聞くと先輩はすぐに予想をつけた。それを聞いたルーシャが走り出した。それを見たルトが声をかけたけど止まる様子はなかったから俺達も走り出す。喧騒が聞こえた方向へと。
喧騒が聞こえた場所に行くと、青のネクタイ・リボンをしている初等部1年生とゼロ先輩達と同じ深緑色のネクタイをしている中等部1年生がいた。見てみると初等部の男の子と女の子達が先輩達に詰められているみたいだ。1年生の子達は流石と言うべきなのか男子が女子を守るようにして先輩と対峙している。雰囲気はまさに一触即発だ。すると、痺れを切らした先輩の一人が1年生に殴りかかる。
俺達はまだたどり着いていない。ルーシャが「ヤバい」と呟く。そしたら、ゼロ先輩が我先にとスピードを上げた。けど、一歩間に合わず1年生の子は殴られた。体格差もあってか1年生の子は飛ばされそうになるが、先輩はその1年生を後ろから抱え込んで衝撃を無くす。そこに俺達がようやく追いつく。
「風紀委員です!何してるんですか!!」
「チッ・・・!風紀委員が何の用だ」
「先輩、流石に今のは見逃せませんから。1年生に、それも新入生に手を出すのは流石にアウトです」
「うるせぇな・・・・。お前らやれ!」
俺とルトが先輩達の相手をしている後ろではゼロ先輩がルーシャに指示を出している。どうやら先生方と生徒会および風紀委員に連絡するようだ。ゼロ先輩は1年生の子を見てるから手を離せない。そんな中、1年生に手を出した先輩は他の先輩達に指示を出して俺達に殴りかかってくる。
前にいた俺とルトはえぇ・・・と困惑するけどすぐに思考を切り替えて無力化するために動き始める。
「ルト、出来るだけ先輩達には怪我を出させずに」
「分かってるよ、神威。それと1年生達も守りながらでしょ?」
「あぁ」
「何、余裕ぶっこいてんだ!」
先輩が俺とルトに1人ずつ殴りかかってくる。けれども俺とルトはお互いに先輩の腕を掴むと相手の力を使って背負い投げをして地面に叩きつける。その際、ドシーンッ!いい音がしたが関係なく次に備える。地面に叩きつけた先輩はルーシャが縄で縛り始めた。
俺とルトは残りの先輩二人を片付けるために動く。残りのうち、片方はさっき指示を出した先輩だ。俺達は1年生に攻撃が当たらないように細心の注意を払って対処する。
その後、何も怪我をせずに先輩達四人を無力化して縄を縛り付ける。縄を縛り終えたタイミングで先生方や会長達がやってきた。やってきた先生方はこの2クラスの担任と初等部1年の学年主任に中等部1年の学年主任。それに初等部と中等部の全体を管理する先生と先輩達の部活の顧問だった。
「どういう状況ですか?」
「まず、彼らが新入生と騒動を起こしていました。その喧騒が聞こえたため僕達風紀委員が急いで駆けつけましたが一歩及ばず1年生は彼に殴られました。その後、風紀委員として止めに入ったのですが彼らは風紀委員に攻撃をしてきたため風紀委員の彼らが対処しました。そして今に至ります」
「ありがとうございます」
初等部の学年主任の先生が今の状況の説明をゼロ先輩に促す。それに対してゼロ先輩は簡潔に答えた。
「生徒会長、彼らはそろそろダメなんじゃないんですか?」
ふと、ゼロ先輩が生徒会長に聞く。俺達はなんの意味か分からず首を傾げるが先生方や委員長は生徒会長の方を見つめた。
「アウトですね。彼らは初等部の頃からこういう行為を行ってきては風紀委員から度々注意を貰ってますが中々改善する兆しが見えません。ですので、一度職員会議の議題にあげる生徒になります」
「そうですか・・・・。分かりました。次の会議の際に処遇を決めましょう。それまでに生徒会長は彼らのこれまでの情報を後ほど渡してください」
「分かりました」
「では、解散にします。気をつけて帰ってください」
生徒会長はタブレット端末を取り出して画面を動かしては何かを確認してそれを先生方に伝えた。そしたら処遇は一旦保留とされ、職員会議により決まることになった。他の先生方は何故か顔を強ばらせた。最後に先生が解散を伝えたことにより他の先生方も去って行った。
俺達は本来ならこのまま学校を回って問題がないか確認するが、委員長から1年生達を送ってあげるように言われたので1年生を送ることになった。委員長は俺達に今日はそのまま部屋に戻って構わないと。
俺達は、先輩とルーシャが女子を女子棟へ。俺とルトは男子を男子棟へと連れて帰った。
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