ガチャ運ゼロの俺が異世界転生したら、確定演出が見えるようになった件 〜ハズレ枠の「召喚士」が、確率操作でSSR美少女たちを無限回収して最強ハーレムを築きます〜
第24章:魔公爵の絶対防御を、「激辛」で突破せよ
第24章:魔公爵の絶対防御を、「激辛」で突破せよ
カィンッ! ドゴォォォン!
轟音が花畑に響く。 シルヴィアの神速の斬撃と、アリスの質量兵器のような蹴りが、リリスの目前で弾かれた。
「遅いわね。あくびが出るわ」
リリスは椅子に座ったまま、指一本動かしていない。 彼女の影が自律して動き、黒い壁となって全ての攻撃を完璧に防いでいるのだ。
「くっ、なんだこの影は! 鋼鉄より硬いぞ!」 シルヴィアが痺れた手を振るう。
「分析。物理無効、魔法吸収。エネルギー障壁の強度は測定不能。……マスター、勝率0%です」 アリスが淡々と、しかし絶望的な事実を告げる。
リリスは優雅にティーカップを傾け、ソーサーに戻す。 その動作すら隙がない。 ルナが放った風の魔法も、影の触手にパクりと飲み込まれて消滅した。
「どうしたの? もうおしまい? 口ほどにもないわね」 リリスが退屈そうにため息をつく。 その赤い瞳が冷ややかに俺を見た。
「期待外れね。……そろそろ『お人形』になってもらおうかしら」
彼女の影が膨れ上がり、鋭利な刃となって俺たち全員の首を狙う。 絶対絶命。 だが、俺は『確率視』の計算を止めなかった。
(……どんな鉄壁の防御システムにも、必ず『運用上の穴(ホール)』がある)
俺の視線は、リリスの動きの一点に集中していた。 彼女は完璧だ。だが、一つだけ「無防備」になる瞬間がある。 それは――**「紅茶を飲む瞬間」**だ。
彼女は「優雅さ」を重んじている。 カップを口に運ぶその0.5秒間だけ、顔の前の「影」が薄くなる。自分の視界と味覚を邪魔しないために。
【防御率低下の隙:0.5秒】 【ただし、影の自動迎撃システムは稼働中】
わずかな隙間。そこに攻撃をねじ込もうにも、近づけば影に串刺しにされる。 遠距離攻撃は影が防ぐ。
(……なら、影そのものを『消して』、防御不能(アンブロック)攻撃を叩き込めばいい)
俺は懐から、一つの小瓶を取り出した。 バベルに来てから引いたガチャの「ハズレ枠(SR)」。 『激辛調味料・ドラゴンブレス(液状)』。 説明文にはこうある。『竜の火袋を濃縮した劇物。一滴で大釜のスープが地獄の業火に変わる。※直接飲まないでください』
「……みんな、作戦変更だ。ワンチャンスに賭けるぞ」
俺はインカム魔法で短く指示を飛ばした。 シルヴィアたちが微かに頷く。
「さあ、フィナーレといきましょうか」 リリスが影の刃を振り上げた、その時。
「今だッ! シルヴィア、アリス、特攻だ!」 「承知ッ! 我が命を盾にする!」 「了解。リミッター解除」
二人が防御を捨てて突っ込む。 リリスは眉をひそめた。 「無駄な足掻きを……」
彼女の影が二人を迎撃しようと動く。 意識が前方に集中した。
「ルナ! ポムを射出しろ!」 「任せろ! 行け、腹ペコ神獣!」
後方からルナの風魔法が炸裂する。 弾丸のように射出されたのは、口をあんぐりと開けたポムだ。 狙いはリリスの本体ではない。彼女を守る**「影の壁」**だ。
「ポム! その黒いのは『海苔』だと思え!」 「わふっ!? 海苔なのじゃ!?」
ポムの目つきが変わる。 神獣フェンリルの眷属にとって、エネルギー体である「影」はご馳走だ。
ガブゥッ!!
「えっ?」 リリスが初めて声を上げた。 彼女の絶対防御である影が、ポムによってごっそりと喰らい尽くされ、穴が空いたのだ。
「まっ、ずい……ぺっ、ぺっ! これ海苔じゃないのじゃ! 泥の味なのじゃ!」 ポムが涙目で文句を言うが、仕事はした。 リリスの顔面の前に、一切の防御がない「真空地帯」が生まれた。
そして、リリスの手には、口元へ運ぼうとしていたティーカップ。
「チェックメイトだ、魔公爵」
俺は指先で小瓶のキャップを弾き飛ばし、中身をぶち撒けた。 【確率操作:液体弾道補正】 【ターゲット:リリスのティーカップの中】
ピチャッ。
真っ赤な粘液が、美しい紅茶の中に混入する。 リリスはポムの乱入に気を取られており、カップの中身の変化に気づいていない。 彼女は動揺を隠すように、反射的に紅茶を口に含んだ。
「……んぐっ」
静寂。 時が止まった。
リリスの動きが停止する。 美しい顔が、青ざめ、次いで赤くなり、最後は沸騰したヤカンのように真っ赤に染まった。
「――っ!? 〜〜〜〜ッ!!??」
声にならない悲鳴。 彼女はカップを取り落とし、喉を押さえて悶絶した。
「か、か……辛っ!? な、なにこれぇぇぇッ!!? 喉が、喉が焼けるぅぅぅ!!」
優雅な魔公爵の姿はどこへやら。 リリスは涙目で舌を突き出し、ハフハフと荒い息をついている。
「水! 水を頂戴! い、いや、ミルク! ミルク持ってきてぇぇぇ!」
のたうち回る最強のボス。 その頭上に、システム判定のウィンドウが浮かんだ。
【クリティカルヒット確認】 【ダメージ種別:精神的・味覚的破壊】 【勝者:相馬レン】
「……勝った」
俺はガッツポーズをした。 シルヴィアたちが呆然としている。
「ま、マスター……。あれは『一撃を入れた』ことになるのか?」 「ダメージは与えた。それに、あのたうち回りようを見ろ。剣で斬るより効いてるぞ」
俺は涙目のリリスに近づき、ガチャから出した『冷えた牛乳』を差し出した。
「ほら、解毒剤(ミルク)だ」 「うぅっ……! おぼえてなさいよぉ……!」
リリスは牛乳を一気に飲み干し、ようやく落ち着きを取り戻した。 彼女は真っ赤な目で俺を睨みつけたが、そこには以前のような殺気はなく、どこか拗ねたような色が混じっていた。
「……ひどい。女の子の紅茶に激辛ソースを入れるなんて、サイテーよ」 「命懸けのゲームだったんでね。……で、俺たちの勝ちでいいよな?」
リリスは不満げに頬を膨らませたが、やがて深くため息をつき、降参するように両手を上げた。
「……ええ、負けを認めるわ。私の『影』をあんな下品な犬に食わせるなんて、計算外だったもの」 「犬じゃないもん! ポムだもん!」
リリスはふわりと浮き上がり、俺の顔を覗き込んだ。
「約束通り、この塔の秘宝……『転移門のパーツ』はあげるわ。それと」 「それと?」 「私の『知識』もね。……貴方のその悪知恵、気に入ったわ。私の『反逆』のパートナーにしてあげる」
リリスが指を鳴らすと、俺のステータス画面に新たな項目が追加された。
【同盟結成:魔公爵リリス】 【獲得称号:魔王候補の共犯者】
「さあ、連れて行きなさい。ここから出たら、まずは美味しいケーキ屋さんに行きたいわ」
「……は? 連れて行くって、まさか」 「当然でしょ? 貴方のパーティに入ってあげるって言ってるのよ」
俺は頭を抱えた。 最強の剣士、マッドな研究者、大食い神獣、毒舌ロボットメイド。 そこに「家出魔王候補(ワガママ娘)」が追加?
俺の胃袋(ストレス耐性)が、限界突破しそうだ。
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