第6話 新たな道


学院を後にしたホルスの足取りは軽く、

しかし胸の中にはまだ戦いの余韻が残っていた。

振り返れば、かつて自分を嘲笑した者たちの顔が浮かぶ。


「もう、あの頃の俺じゃない……」

小さくつぶやき、拳を握る。

森での修行、初めての戦闘、伝説の歩み、学院での復讐――

全てが彼を強く、そして自由にした。


道中、風が頬を撫でる。

街の雑踏も、山の静寂も、ホルスの心には鮮明に映る。

彼は誰かに認められるために生きるのではない。

自分の道を、自分の力で切り開くのだ。


小さな村を通り過ぎると、住人たちの視線が向けられる。

「彼が、あの少年か……」

噂はすでに広がり、13歳の少年の名は少しずつ知られていた。

ホルスは微笑み、頭を下げて通り過ぎる。


「これから、どんな試練が待っていても、

俺なら乗り越えられる」

強化スキルの感覚が、再び体を駆け巡る。

力を信じること、そして挑戦を恐れない心が、

彼の胸に確かな自信を刻んでいた。


森の向こうに夕日が沈み、黄金色の光が差し込む。

少年の影が長く伸び、未来への道を照らしているようだった。

「まだ、旅は終わらない……」

ホルスは小さく息をつき、前を見据える。


孤独だった日々の記憶が、今は力に変わった。

誰もが彼の成長を認め、



畏怖し、そして期待するだろう。

13歳の少年が歩む道は、自由で、危険で、しかし光に満ちていた。

追放者の物語は、こうして新たな章へと続く――。


ホルスの心には希望と決意の炎が宿る。

どんな困難も、自分の力で切り裂き、未来を作る。

かつて弱く、追放された少年は、今や自分だけの伝説を始めた。

世界は、まだその全貌を知らない。


--完--

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孤独な付与術士、力を超えた日 塩塚 和人 @shiotsuka_kazuto123

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