第5話 平和な夜

「─そろそろお迎え行かなくちゃ」

わたしは、ノートパソコンを閉じると出かける準備を始めた。


子供が出来たら育休をしっかり取って、その後は保育園に預けて時短で復帰して、少し間をあけてふたり目かな…と夫婦で話し合っていたのだが、まさかの双子で計画を見直さざるを得なかった。

だが幸いなことに会社の理解もあり、育休後は在宅勤務メイン、必要に応じてオフィスに出社という形で仕事を続けられている。

そして、保育園には入れなかったが義母が元保育士、わたしの母は元小児科ナースなので、交替で面倒を見てくれている。

ふたりの母たちが友人同士だったことがきっかけで夫と知り合ったので、世間でいう嫁姑問題もない。


「ほんと、わたしって恵まれてるな」

「どうした、急に?」


子供たちを寝かしつけた後、晩酌をしていた夫が不思議そうな顔で尋ねた。

保湿クリームを塗りながらわたしは答える。


「だって、お義母さんもうちのお母さんも喜んで孫の面倒見てくれるし、在宅で仕事も続けられているし。ママ友と話してると、実家遠くて頼れないとか、正社員辞めてパートになった人多いもん」

「…そうだよな。双子ですって聞いた時はどうしようって思ったしなあ」

「わたしもだよ。でもお義母さんたちもそうだし、あなたもいろいろ手伝ってくれるから」

「お、何だ?褒めても何も出ないぞ?」

「じゃ、いつも電車で見てたっていう可愛い子にまた会えるように祈っといてあげる」

「ええ?おまえ何でそれ知ってるんだよ…」

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