第16章「魔王城潜入——最悪の現場」
魔王城の門が、目の前にあった。
巨大な黒い扉。禍々しい紋様が刻まれ、魔力が渦巻いている。
「行くぞ」
リーナが聖剣を抜いた。光が闇を切り裂く。
門が開いた。
中は——暗闘だった。
だが、健太の「現場監理」スキルは、闇の中でも構造を把握することができた。
「……すげえな、これは」
魔王城の内部は、想像を絶する複雑さだった。
通路が入り組み、階段が上下に伸び、部屋が無数に連なっている。そして、至るところにトラップが仕掛けられている。
「健太、ルートは分かるか」
「待ってくれ……」
健太は目を閉じ、スキルに集中した。
構造が見える。設計図が頭の中に浮かび上がってくる。
「……分かった」
目を開けた。
「この城は、俺の世界の建築に似てる。いや、ほぼ同じだ」
「どういうこと?」
メイリルが聞いた。
「エルドリア文明は、俺の世界と繋がっていたのかもしれねえ。この城の設計思想は、俺が知ってるものと同じだ」
健太は通路を指差した。
「あっちが最短ルートだ。ただし、トラップが多い。こっちは遠回りだが、安全だ」
「私たちは最短ルートを行く」
リーナが言った。
「魔王を倒すのが先だ。お前たちは安全なルートで、システムの制御室を目指せ」
「分かった。気をつけろ」
「お前もな」
リーナとガルドが、暗闘の中に消えていった。
「さあ、俺たちも行こう」
健太、メイリル、ポップの三人が、もう一つの通路に足を踏み入れた。
◇
城の奥に進むにつれ、構造はますます複雑になっていった。
「このトラップ、どうやって避ける?」
ポップが前方を見て言った。
通路の床に、無数の穴が開いている。一定間隔で槍が飛び出す仕組みだ。
「タイミングを読め」
健太がスキルで解析した。
「三秒間隔だ。俺が合図を出すから、一気に走り抜けろ」
「了解」
「今だ!」
三人が駆け出した。背後で槍が飛び出す音がするが、全員無事に通過した。
「すげえな、おっさんのスキル」
「これくらいは普通だ。現場じゃ、もっと危ないことがいくらでもある」
次の通路。天井から岩が落ちてくるトラップ。
「ここは一人ずつだ。俺が先に行く」
健太が走った。落ちてくる岩を避け、安全な場所に到達する。
「次、メイリル!」
「分かったわ!」
メイリルが走る。健太が落下のタイミングを読み、合図を出す。
「右! 左! 止まれ! 今だ、走れ!」
メイリルも無事に到達した。
「ポップ、お前の番だ!」
「任せろ!」
ポップは身軽だ。盗賊スキルの身のこなしで、軽々とトラップを避けていく。
「楽勝だぜ!」
三人が合流した。
「よし、この先が制御室だ」
健太がスキルで確認した。
だが、その時——
轟音が響いた。
城全体が揺れ始めた。
「何だ!?」
「リーナたちの戦闘だ!」
メイリルが叫んだ。
「魔王との戦いが始まったのよ!」
天井からちりが落ちてくる。壁にひびが入り始める。
「まずいな……」
健太は城の構造を確認した。戦闘の衝撃で、あちこちにダメージが蓄積している。
「このままだと、城が崩れる」
「どうする!?」
「急ぐしかねえ。制御室に行って、システムを守る!」
三人は走り出した。
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