1章 設定まとめ
【主要登場人物】
〇リオ・アーデン(主人公)
・年齢: 18歳
・所属: 王立魔刀学院3年・劣等生
・能力:
- 訓練中にデルンを切った際、その傷が治らなくなる異常を経験
- デルンの傷を自分の体に移すことで痛みを和らげることができるが、力の正体は分からない
- 呪符に触れると爆発を起こす体質(媒介として機能)
- 手のひらには、常に微かな熱が宿っている。それは、呪詛の力の証だ
・心理状態:
- 「何が起きているのか分からない」状態
- 母の遺言「この力を使ってはだめ」の意味も理解していない
- デルンの傷を自分の体に移すことで痛みを和らげるが、力の正体は分からない
- 鐘楼での密談で、シルヴァとリナの支えを受け、未来について語り合う
- 北境第七前哨基地で、呪符に触れて爆発を起こし、基地の結界が暴発する
- 「自分の傷が鍵になるのなら、逃げても誰かが苦しむだけだ」と考える
・動向:
- 北境第七前哨基地へ特別召集される
- 夜泣き沼の手前まで偵察班として進む
- 呪符に触れて爆発を起こし、基地の結界が暴発する
- ラグス中佐から「お前の体質が媒介になるなら、利用する」と告げられる
〇リナ・フォルテ
・所属: 王立魔刀学院3年・首席候補
・能力:
- 理論と剣技に優れ、指揮班要員として前線同行
- 呪詛解析力と王都とのパイプを持つ
・リオとの関係:
- リオを実直に支える
- 鐘楼でリオとシルヴァと共に未来について語り合い、「同じ部隊にしてもらう」と約束
- リオの傷移しを「自分を削っているだけ」と危惧し、自己犠牲を止めようとする
- 北境第七前哨基地で、リオの包帯を見て「あれは治療じゃない。自分を削っているだけだよ」と静かに首を振る
〇シルヴァ・ウィスパー
・所属: 図書塔の研究生
・能力:
- 古文書解析が得意
- 魔刀を扱えないため学院内で異端視されている
- 禁書知識で旧文明の糸口を握る
・リオとの関係:
- リオの唯一の理解者
- 鐘楼でリオと密談し、「詠唱無しで残る呪痕」の資料を提示
- デルンの傷が治らない件を「偶然でも原因を知りたい」と調査を提案
- 北境へ向かうリオに古文書のノートを託し、密書支援を約束
- 呪符爆発後、「呪符には"記録"が残る。君が触れた痕跡を辿れば、術者の意図が読めるはず」と手紙を送る
- 「リオ、あなたは一人じゃない。私も図書館で調べ続けている。もし何か分かったら、すぐに知らせるわ」と支える
〇ガルド・ストーム
・所属: 王立魔刀学院3年
・能力: 雷属性の魔刀士候補・人気者
・動向: リオを揶揄しつつ同じ北境行き、治らぬ傷に怯える
〇デルン
・所属: ガルドの取り巻き・学院生
・事件:
- 実戦演習でリオに浅い切り傷を負わされる
- 夕刻に激痛を訴えて保健塔へ運ばれ、治癒薬が効かない異常が発覚
- リオが保健塔で見舞い、傷を自分の体に移すことで一時的に痛みが和らぐ
- リオの腕に黒い紋が浮かび上がり、治癒術師が驚く
・意義: 呪詛騒動の発端となる
〇マスター・クロウ
・所属: 王立魔刀学院教官
・役割: リオを導く師
・指導内容:
- 「観ろ」「役割を決めろ」「状況を観察できる者は、いつでも兵を支えられる」
- リオのレポートを丁寧に添削し、「状況描写は良い」と評価
- デルンの件で保健塔にリオを呼び出し、「恐れるな。結果だけを見ればいい」と諭す
・洞察: リオの「何か違う」才能に気づき始めている
〇ケイン・アーデン
・所属: 前線兵(平騎士のまま昇進できず)
・リオとの関係: リオの父
・行動:
- 前線勤務でほとんど家に戻らないが、手紙で「無理をするな、でも自分を信じろ」と励ます
- 徴兵の通知が来た際、「王国全土が緊張している。召集が来ても、お前はここで身を守れ」と警告
- 母アリアの古いロザリオをリオに託す
〇アリア
・所属: リオの母(故人とされる)
・遺言: 「この力を使ってはだめ」
〇ラグス中佐
・所属: 北境第七前哨基地指揮官
・方針: 結果主義でリオの力を利用しようとする
・行動:
- 「噂は届いている。ここでは結果だけを示せ」とリオに告げる
- リオが触れた呪符が基地の結界を暴発させたことを知る
- 「夜泣き沼の底で誰かが意図的に力を増幅させている。お前の体質が媒介になるなら、利用する」と告げる
〇ゼロ・ナイト
・所属: 前線の若き老練兵(二十代半ば)
・動向: 北境第七前哨基地でリオと再会
・リオとの関係:
- 「お前の傷移し、兵站に記録されたら英雄扱いかもな」と冗談めかして言う
- 「お前は自分を捨てるのが早すぎる」「死んでしまえばやり直せない」とリオの自己犠牲を諌める
- 皮肉混じりの励ましでリオを支える
【背景の重要人物】
〇レオナルド王
・所属: 現国王
・行動:
- 特別召集の王命を発し、北境への人員を決定
- 王都の政治判断とつながる
〇エリーザ・ヴァン・マグノリア
・所属: 魔刀黄金期を築いた初代国王
・意義: 魔刀優位の世界観と古代魔術封印の歴史的背景を示す
・歴史:
- 三百年前、辺境の少女エリーザ・ヴァン・マグノリアが剣に魔法を宿した瞬間、歴史は音を立てて折れ曲がった
- 詠唱を省いた魔刀の一閃は、天幕を一刀両断し、山を駆け降る魔獣さえ凍り付かせた
- 英雄に担ぎ上げられたエリーザは、王位に就くと同時に「魔刀こそ人類の未来」と布告し、旧来の呪術や詠唱術式を徹底的に封印・焼却した
- 彼女が命じた掃討は、魔術師の血脈を地下へ追いやり、魔刀黄金期と呼ばれる現在を作り上げる
- 晩年に封印した「古代魔術の核心」が王立図書館の地下に眠るという噂は消えない
〇ルシウス・アーカイブ
・所属: 王立図書館司書長
・秘密: 地下に眠る古代魔術の核心を秘匿
・行動: 閲覧を求める研究者を門前払いにしながらも、時折意味深な微笑を浮かべる
〇ヴィクトル・アイアン
・所属: 軍総司令官
・行動:
- 呪詛耐性兵を探索する布令を発する
- 背景で動く軍部の意図
【用語・設定】
〇王立魔刀学院
- マグノリア王国の魔刀使いを育成する学院
- 十三歳の春から剣技・軍略・礼法を叩き込まれ、十五で初陣を想定した演習に参加する
- 卒業を待たず最前線へ送られる例も珍しくない
- 斬撃速度と魔力耐性の統計が、そのまま昇進表に転記される世界
〇魔刀黄金期
- エリーザ・ヴァン・マグノリアが築いた時代
- 魔刀こそ人類の未来とされ、旧来の呪術や詠唱術式が徹底的に封印・焼却された
- 魔術師の血脈は地下へ追いやられ、魔刀使いだけが貴族階級へ通じる
〇旧文明の魔術
- エリーザが封印した「古代魔術の核心」が王立図書館の地下に眠る
- 「呪詛」「異端」として恐れられ、教科書から削られて久しい
- 学徒たちは夜な夜な地下書庫に潜り込み、禁書の写本を回し読みしている
- そこに記された呪文の多くは既に失われ、ただの伝説として語られている
- 時折"治らない傷""詠唱なき呪い"といった言葉が、心のどこかをざわつかせる
〇北境第七前哨基地
- ネヴァラ公国との緊張が高まっている前線基地
- 湿地帯「夜泣き沼」から霧と共に現れる散兵、呪詛を帯びた傷に苦しむ兵士たちがいる
- 治癒術師は絶対数が足りず、呪詛の可能性がある負傷者は診療所の端に寝かされ、苦痛に耐えるしかない
〇夜泣き沼
- ネヴァラ公国の湿地帯
- 薄紅色の霧が渦巻き、足元の雪が灰色に変色している
- 霧は高さ二メートルほどで、視界を遮る
- シルヴァのノートには、同じ色の霧は旧文明の儀式陣に由来すると走り書きされている
- 沼地に埋められていた呪符が一斉に光り、地面が震える
- リオが触れた魔法陣の欠片が、周囲の呪符と共鳴し、爆発的な魔力の奔流が生まれる
〇呪符
- 旧文明の魔術の痕跡
- リオが触れると爆発を起こす
- リオの体質が媒介として機能し、周囲の呪符と共鳴する
- 「呪符には"記録"が残る。君が触れた痕跡を辿れば、術者の意図が読めるはず」
〇治らない傷
- リオがつけた切り傷が絶対に治らない呪詛魔法
- 治癒魔法も効かない
- 時間が経っても塞がらない
- 敵を斬れば必ず死に至る
- デルンの事件で初めて明らかになる
〇傷移し
- リオがデルンの傷を自分の体に移すことで痛みを和らげる能力
- リオの腕に黒い紋が浮かび上がる
- リオは「自分を削っているだけ」と危惧される
【第1章の重要な出来事】
1. デルンの傷が治らない事件
- 実戦演習でリオに浅い切り傷を負わされる
- 夕刻に激痛を訴えて保健塔へ運ばれ、治癒薬が効かない異常が発覚
- リオが保健塔で見舞い、傷を自分の体に移すことで一時的に痛みが和らぐ
- リオの腕に黒い紋が浮かび上がり、治癒術師が驚く
- 呪詛騒動の発端となる
2. 鐘楼での密談
- シルヴァが「詠唱無しで残る呪痕」の資料を提示
- リナが駆け込んできて、王都から緊急の伝令が来たことを報告
- 敵国が北境を越えた。上層部は卒業前倒しと先行徴兵を検討している
- リナは「もし戦場に出るなら、クロウ先生に頼んで同じ部隊にしてもらう」と約束
- シルヴァは「私は前線に行けないけれど、資料をまとめて密書を送る。どんな呪法でも解析してみせる」と約束
- 三人で未来について語り合う
3. 特別召集と北境への旅立ち
- レオナルド王が特別召集の王命を発し、北境への人員を決定
- 父ケインから「王国全土が緊張している。召集が来ても、お前はここで身を守れ」と警告
- 母アリアの古いロザリオをリオに託す
- 母の遺言「この力を使ってはだめ」を思い出す
4. 北境第七前哨基地での初日
- ラグス中佐が「噂は届いている。ここでは結果だけを示せ」とリオに告げる
- ゼロ・ナイトと再会し、「お前の傷移し、兵站に記録されたら英雄扱いかもな」と冗談めかして言う
- リナはリオの包帯を見て「あれは治療じゃない。自分を削っているだけだよ」と静かに首を振る
5. 夜泣き沼での呪符爆発事件
- 偵察班として夜泣き沼の手前まで進む
- リオが魔法陣の欠片を拾い上げると、指先に冷たい痛みが走る
- 欠片が脈打つように動き、リオの手に食い込むように吸い付く
- 沼地に埋められていた呪符が一斉に光り、地面が震える
- リオが触れた魔法陣の欠片が、周囲の呪符と共鳴し、爆発的な魔力の奔流が生まれる
- ゼロがリオを突き飛ばし、リナが咄嗟に障壁を張るが、その障壁は魔力の奔流に押し潰される
- リオが触れた呪符が基地の結界を暴発させる
- ラグス中佐から「夜泣き沼の底で誰かが意図的に力を増幅させている。お前の体質が媒介になるなら、利用する」と告げられる
6. シルヴァからの手紙
- 「呪符には"記録"が残る。君が触れた痕跡を辿れば、術者の意図が読めるはず」と書かれている
- 「リオ、あなたは一人じゃない。私も図書館で調べ続けている。もし何か分かったら、すぐに知らせるわ」と支える
【第1章のテーマ】
・「何が起きているのか分からない」状態からの始まり
・治らない傷という異常事態の発覚
・旧文明の呪詛の可能性
・母の遺言の意味の不明確さ
・仲間たちの支え(シルヴァ、リナ、ゼロ)
・自己犠牲への危惧
・力の正体への疑問
・戦場への不安と覚悟
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