第3話 初出勤みたいですよ

はぁ〜無駄に疲れたァ〜


あの後俺は教室に戻り机に突っ伏していた


「英雄様の凱旋かぁ?」


そう茶化してくる孔


「お前いっぺん黙れさもなければお前の薄汚い口を縫い合わせてやる」


そんなこと言ってもグイグイと寄ってくる孔


「クラスのみんな褒めてたぜ?陰キャが姫君に近寄る悪漢を撃退したってまるで騎士様見たいだって声も上がってたぜ」


それを聞いて孔は「優斗が騎士とかありえねぇwww」だとほんとにしばこうかな


「うるさいなぁ俺はああいうの見過ごせない人なの!体が勝手に動いちゃうわけ!」


「にしてもお前のああいうところ久しぶりに見た気がするぜ。中学校ぶりとか?」


俺は昔から困ってる人がいると黙っていられない性格なのである


「そうかもな」


「まぁまぁ久しぶりだからゆっくり休みなよ」


そう言って自分の席に戻っていく


あの時何があったかと言うと


「わりぃなんか嫌な予感する」


そういうと孔は少し目を見開いて


「久しぶりじゃねぇか?お前の人助けセンサー働くの」


「そうかも?こんな話はどうでもいい早くしないと大事になる…と思う」


「はいはいお前の勘はよく当たるからな信じてやんよ行ってもいいが怪我だけはするなよ」


「ほんとお前ってロリコン以外は完璧だよな。」


「褒め言葉ありがとう」


「褒めてねぇよ。んじゃ行ってくる何かあった時のバックアップよろ〜」



的なことがあったのだ


とりあえず今日は何も仕掛けてこないだろうからバイトまで体力温存するか


その後は何事もなく1日を終えることができた



俺はバ先の扉を叩く


「相良優斗です学校終わったんで来ました〜」


そういうと胡桃さんが出迎えてくれた


「お疲れ様学校もあったのに来てくれてありがとうね」


「いえいえ学校にも慣れたんでそんなに疲れてないっすよ。まぁ今日はアクシデントあったけども」


「あら何があったのかしら?」


俺は胡桃さんに今日の出来事を話した。


「そんなことがあったのね。それにしても優斗やるわね」


そういい俺の脇腹をちょんちょんとつついてくる


「やめてくださいよ学校でも友達にいじられたんですよ?姫君を守る騎士様だのなんだの」


俺はその事を思い出し悶える


それから数分たってようやく落ち着いた


「ところで胡桃さん今日何するんすか?」


「おっ早速それ聞いちゃう?実はねちょうど異能災害の通報を受けてね大して危険でもないからそこに連れていこうかなって思ってるわ」


いきなり現場っすか


「そ、それってどのくらいの規模です?」


「そこまでよ?この町を飲み込むくらいかしら?」


「それで規模が小さいんすか!?」


この町って案外この町広いんだけど


「あぁ安心してちょうだい異能ってどんどん溜まっていくものなのよガスみたいにね。ある程度溜まったらガス抜きしなくちゃいけないだけよ?幽霊とか妖怪の種類によっちゃ大変なことになるけどそんなこと滅多にないから安心してね?あと例外がひとつあって負のオーラに誘われる場合があるわ人の負のオーラが大きければ大きいほど強い妖怪や幽霊が集まってくるわ」


異能ってそんな日常に溢れてるんだ…新事実だ


「とりあえずそこで異能の力見せてあげるわ」


ってな訳で町いちばんのスーパーに来ました


「人通りが多ければそれに引かれて異能が集まってくるわ」


なるほど


「ところでなんで一般客達は俺たちのこと見えてないんすか?」


「えっとね異能力者は結界を貼れるのよいつも私たちが活動してるところが『現世』異能達がいる場所が『幽世』んで私たちが今いる場所が『狭間』ね。お互いの性質を持った空間を作り出してるのよ」


「思ったよりファンタジーなんですねこの世界」


「ラノベとかで出てくるモンスターの元はだいたい幽世に生息してる異能達よ。なんか話によれば異能力者としての活動を引退した人が面白半分で幽世のことを異世界として表現したら思いのほか現世ではやっちゃって今となっちゃポピュラーなものになったらしいわ」


オタクの好きなラノベの秘密を知ってしまった…


「優斗くんあそこ見て」


「も、もしかしてあれが異能ですか?」


指さす方向には店内を歩く人達とは違う禍々しいオーラをまとっているナニカを見つける


「そ、あの感じだと幽霊と悪霊の間かな?負の感情がもう少しでも彼に多く入っていた場合は悪霊になっていたわね。」


「凄いですね俺からすれば全て目新しいものしかないですよ」


「それは仕方ないわ幽世や狭間のことを知らなかった一般人だったのだからね。けどこれからはこういうのにも慣れてもらうわよ」


そういい胡桃さんは戦闘態勢に入る


「見ときなさいこれが異能力者の戦い方よ」


そういい胡桃さんは駆け出した


はやっ!200mくらい離れてたのにもうあんなに接近してる


そのまま幽霊をぶん殴った


殴られた幽霊は自身に降りかかった衝撃で吹き飛んでいく


「いやぁー吹き飛んでいきましたね」


「攻撃する瞬間に霊力を込めるのよ」


「霊力?」


聞いた事のない単語が出てきた


「わかりやすく言うなら異能力を扱うためのエネルギーよ上手く体に纏わせれば身体能力も向上するわ」


「ラノベで言う魔力的な感じなのか」


「そうね、私もここまで使えるようになるのには苦労したわ」


なんでもありなんだなぁ


「そういえば胡桃さんは機能炎出してませんでしたっけ?」


「あぁあれは異能力というものを分かりやすく表すためのものよ。霊力の総量が多ければ実践で使うこともやぶさかではないわ」


それから俺は異能力者のことを教わりながら胡桃さんが幽霊をしばくのを見学していた


「そろそろ反応が少なくなってきたから終わりかしらね」


「気配とかもわかるんですか?」


そういうと胡桃さんはスマホを取りだした


「異能レーダー?」


「そ、異能災害対策庁に所属するとこのアプリのインストールは必須になるのよ」


「昨日今日といい現実離れしすぎて頭がパンクしそうです」


「それじゃそろそろ潮時ね帰りましょうか」


そういい帰ろうとした瞬間俺の感覚に違和感を覚えた


「あの、胡桃さん少しいいですか?」


「どうしたのかしら優斗くん」


「なんか嫌な予感がします…変なことを言いますがこういう時の勘は当たるんですよ」


その瞬間とてつもない重圧が俺と胡桃さんに降りかかる


「ちとこれはまずいかもね…」


「な、なんなんですこれ」


「怨霊ねそれもとてつもない強さの」


怨霊か人の負のオーラに誘われ下手をしたら現世に影響を及ぼす幽霊か


「俺たちで何とかしましょう」


「それは難しいわこれほどのプレッシャーを感じさせられるのよ私が全力出しても太刀打ちできるかどうか…」


胡桃さんにそこまで言わせる程のものなのか


その瞬間遠くで何かが『顕現』する


「あれは悪魔…なのか?」


それは幽霊ではなくより禍々しく間違いなく『死』を連想させてくる


それは俺たちに見向きもせずある一点に向かい続けている


「多分あれは呪いね」


「呪い?」


「そう何者かが人を呪うために儀式を行い召喚したものよ。その時の負のオーラによって出てくるものは違うのだけれどあれほどのものは初めてよ。性質として召喚した人が最も憎いと感じているもののところに行き不審な事故を起こさせるのよ」


「とりあえず後を追って見ましょう。」


「そうね」


俺達はその悪魔の後をつけた


その悪魔の先には紅の姫君こと田村朱里が買い物をしていた


「わかったぞ…」


「何がわかったのかしら?」


「今日学校の話をしましたよね?多分あの悪魔はその時の男側が呼び出したものかもしれません。それで悪魔の視線の先にいるあの子がその女の子なんですよ!」


会話する間に悪魔は田村さんに向かって近ずいていく


「優斗くん!あいつ自分で狭間の結界を作り出したわ!あの女の子のこと確実に仕留めるつもりよ!」


〈田村朱里side〉


今日は色んなことがあって疲れたわ


私を助けてくれた相良優斗君とてもかっこよかったわ…って何考えてるのかしら


とりあえず今日の晩御飯の買い物をしなきゃ


あれ?さっきまで賑やかだったのになんでこんなに静かなのかしら


ここは町一番のスーパーだからこんなに静かになることはありえないわ


『田村朱里ぃ!』


背筋がゾワッとする冷えた声が聞こえる


後ろを振り返るとそこには悪魔らしきものが私の後ろで腕を振り上げていた


『死』それを感じた


嫌だ!し、死にたくない!


「間に合えぇぇ!」


いつまで経っても痛みが来ない


「間に合ってよかった」


目を開けるとそこには相良優斗君が目の前にいた


「あっ、ありがと」


「礼はいい今は目の前のことに集中しろ。アイツの狙いは田村さんだ」


「あれはなんなの?」


「あれは人の負の感情が呼び寄せた悪魔だよとりあえず隠れてて俺が何とかする」


こんな状況でも優斗君のことを見ていると胸の高まりが収まらないわ


これがこの想いが…


〈相良優斗side〉


何とかするとは言ったものの俺には異能も使えない無力なんだよな


ほんとどうしよ


悪魔が動き出した瞬間に腹部に強い衝撃を受ける


「かはっ…み、見えねぇ」


おそらくは認識できない速度で殴られたのだろう。しかもこいつ人を痛めつけて楽しむタイプだな


悪魔は喋らないがニタニタと気味の悪い笑みを浮かべている


「クソッタレが」


このままいたぶられて殺されんのか?人を守れず無力なまま惨めったらしくくたばるのか?



俺は負けねぇ困ってる人がいる限り


もう二度と目の前で人を傷つけてたまるもんか!


『ふむ心意気やよし!仕方ないから我が力を貸そう。若き青年よ我の力を持ってきゃつを討滅せよ!』


なんだか声が聞こえた気がする…


その瞬間頭が割れると錯覚するレベルの痛みが襲いかかる


痛い痛い痛い


だが耐えられない痛みじゃない!


その痛みが引いた瞬間に全能感に満ち溢れていた


悪魔は余裕の笑みを無くした


「おいクソ野郎女子に付きまとう変態悪魔てめぇをぶちのめす!」


─────────────────────

そいやお前との出会いもこのときだったのか


『そうだこの時の貴君は弱かったのぉ』


黙れそういうお前もキャラ作ってんじゃねぇか

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