【第1章:四季の嵐、教室に吹き荒れる1】

天皇寺学園の朝は、いつも穏やかで上品だ。

広大なキャンパスに立ち並ぶ校舎は、ガラス張りのモダンなデザインで、朝陽が反射してキラキラと輝いている。

霧斗は昨日と同じく、制服のネクタイをきっちり締めて教室に入った。

昨日転校してきた4人のヒロイン――春華、夏希、秋葉、冬美――がすでに席に着いており、霧斗の周りを囲むように配置されている。

クラスメイトたちはまだ彼女たちに興味津々で、ちらちらと視線を投げかけている。霧斗は自分の席に座りながら、内心でため息をついた。「昨日は自己紹介だけで終わったけど、今日から本格的に絡んでくるのかな……。父さんの策略にまんまとハマってる気がするよ」。


授業が始まる前のホームルームの時間。担任の先生が黒板に予定を書いている間、クラスは少しざわついている。

春華が隣の席から霧斗に体を寄せて、明るい声で話しかけてきた。「おはよう、霧斗くん! 昨日はありがとうね、カフェの話。今日の弁当、何持ってきた? 私、昨日ママに言われてお弁当作ってきたんだよ。見て見て、桜の形のおにぎり!」彼女は弁当箱を開いて、ピンク色の桜の花びらを模したおにぎりを誇らしげに見せる。春華の髪はふわっとしたウェーブがかかり、朝の光に優しく照らされている。


霧斗は微笑んで応じる。「おはよう、春華さん。かわいいおにぎりだね。僕の妹が作ってくれた弁当と交換しようか? 卵焼きが自慢なんだよ。」彼は自分の弁当箱を軽く振って見せる。紳士的に振る舞うのが霧斗のスタイルだが、内心では「桜の形って、春華さんらしいな。父さんが選んだだけはある」と思っている。


そこに前席の夏希が振り返り、元気よく割り込んでくる。「おはよう! 弁当の話? 私のはパワー系だよ、ステーキ弁当! 霧斗、昨日サッカーの約束したよね? 放課後、絶対来てよ! 私、霧斗くんとチーム組んで、クラス対抗で勝ちたいんだよね。」夏希のショートヘアがぴょんと跳ね、活発な目が輝いている。

彼女はすでに学園のサッカー部に仮入部を申し込んでいるらしい。

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