第3話 全裸族

「おーい、起きてー、おーいってばー」

懐かしい声がする。どこか覚えてはないが、ゆうやけこやけの音楽と共に、聞こえてくるあの懐かしい声。

忘れてしまっていたあの頃の自分。


「こいつなんで全裸なんだよ。ふざけんなよマジで、おい、起きろってば」

わたしはビシビシとヤツの頬を叩いた。

「アイアイサーマムッ!」

ヤツはガバッと起き上がったかと思うと、私に向かって敬礼した。

「わぁっ!ビックリした」

「あぁ、アンドロイド殿、お恥ずかしいところをお見せしたでござる。拙者、妙齢の女性から罵倒されるとトラウマが発動して失神するんでござるよ。はっはっはっ」

「あぁ、そう」

「心底どうでもいいという感じでござるね」

話が前に進まないので無視する。

「私はさっきも言ったと通り、あんたの恋愛を成功させるためにやってきた、アンドロイド、ゼロさん。恋愛特化型アンドロイドで108つの技術であんたの恋愛を成就させるわ」

「未来からのアンドロイドなのに技が108つしかないって、少なくないでござるか?」

「その舌の根引きちぎるわよ?」

「ヒィッ、トラウマが!トラウマが!」

「あぁ、ごめんて、でも煩悩だって108つから変わらないでしょ?時代を経ても、変わらないものってあるのよ。それはそうと、あんた今気になってる女性とかいないの?」

「えー、恋バナでござるか〜?拙者、そういうのはもう少し仲良くなってからの方がいいでござる」

「おい」

「さーせんしたーっ!拙者が今気になっている子は、それは二次元も可でござるか?」

「三次元だけに決まってんだろボケ」

「ヒーットラウマが!三次元ならいないでござるよ!」

「本当にいないの?ちょっと気になるでも良いのよ?てか、服着ろよ。いつまで全裸なんだよ」

「いぇ、拙者としては、家の中では全裸というのがポリシーでしてね」

「今すぐそんなポリシー捨てちまえ」

「まぁまぁ、ちょっと気になる子について考えるので、この座布団にでも座ってちょっと待つでござるよ」

ヤツに落ち着けと言われるのは癪だったが、私はヤツに促され、ぺったんこの座布団に座ってヤツの答えを待った。

ヤツは腕を組んでうーんうーんと長考しているので、気になって聞いてみた。

「そういえば、あんた名前なんて言うのよ」

「拙者でござるか?拙者の名前は、小佐々木次郎でござるよ。年は18歳。恋する乙女座でござる」

「恋するときたか、18年生きてきたのなら、好きな子とかできたんじゃないの?」

「そうでござるねぇ、確かに人並みに恋をしたことはあるでござるが、基本的には小学生でござった」

「…ちょっと聞きたいんだけど、もしかして今も気になってる子って小学生だったりする?」

「ウェッ!?なぜばれたでござるか!?」

「いや、あんた考えてるってよりも、言い出せなくてウンウン悩んでるような感じだったから」

「いや、さすが未来のアンドロイド殿でござるね。そうでござる。拙者が気になっている子は、近くの小学校に住む、小森環ちゃん(11)でござるよ」

「11歳ときたか、直接言われると、ドギツイものがあるわね。とりあえず見に行きましょう」

「えっ!?環ちゃんを見に行くでござるか!?」

「見に行ってみないと、あんたとの相性もわかんないもの」

「えー急に言われても困るでござるよー。美容室の予約とかしなきゃ」

「とりあえず見に行くだけだから、服着な?」

ちょうど下校時刻になるというので、ヤツに案内されながら、私たちは通学路で待ち伏せすることにした。


次回 小佐々木次郎 逮捕

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未来の力で掴み取れ!俺はロリコンでエロゲが趣味だけど彼女できますか? 03_Lovebrain @ooameko

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