第2話 二十の呪い、あるいは祝福

 宮司ぐうじの手により、四本の巻物が一気に広げられた。天井から伸びていた紐にくくり付けられる。


 古びた和紙に記されていたのは、経のような漢字の羅列ではない。もっと根源的で、見る者の不安をき立てる、文字だった。


 血のような赤黒い墨で書かれたそれは、まるで生き物のように脈動して見えた。


【第壱ノ器:生体系(肉と血の代償)】

 ・壱、血祀ちまつり

 ・弐、蟲毒こどく

 ・参、骨喰ほねばみ

 ・肆、髪結かみゆい

 ・伍、獣憑けものつき


【第弐ノ器:物質系(物と形の祟り)】

 ・陸、人形ひとがた

 ・漆、五寸ごすん

 ・捌、鏡像きょうぞう

 ・玖、面相めんそう

 ・拾、紙垂しで


【第参ノ器:空間系(場と理の穢れ)】

 ・拾壱、地縛じばく

 ・拾弐、闇沼やみぬま

 ・拾参、霧幻むげん

 ・拾肆、火葬かそう

 ・拾伍、鎌鼬かまいたち


【第肆ノ器:概念系(心と魂の障り)】

 ・拾陸、呪言じゅごん

 ・拾漆、怨響おんきょう

 ・拾捌、夢枕ゆめまくら

 ・拾玖、霊眼れいがん

 ・弐拾、虚無うつろ


 二十の系統。

 二十の祝福。


 紛れもない。これが、私たちが背負わされる呪いだ。

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