第1期 第12話 『総帥・幽気の降臨と、道化師の失墜』


【場所:ノモンホ要塞・最上階「虚無の玉座」】

(ヌニを退け、ついに最上階へ辿り着いた一行。そこには、禍々しい気気を纏った男・幽気が、巨大な大剣を携えて座っていた)

幽気:……よく来たな。だが、ここが終着点だ。

かなる:幽気君……。君の暴挙もここまでだ。すぎもん君、行こう! 僕たちが力を合わせれば、彼にも勝てるはずだ!

すぎもん:……ああ。(気力を練り、刀を構える)

(すぎもんが『虚空の剣戟・虚閃』を放とうと踏み込んだ瞬間。前話でかなるが仕込んだ「細工」が発動する。すぎもんの体内の気力回路が逆流し、激痛が走る)

すぎもん:がはっ……!?(技が不発に終わり、その場に膝をつく)

幽気:……期待外れだ。その程度か、道化師。

(幽気の大剣がすぎもんを襲う。絶体絶命の瞬間、横から飛び込んできたのは――蒼司だった)

蒼司:すぎもん、何を……! ぐあああッ!

(幽気の一撃が蒼司の胸を深く切り裂く。1話で怪我を負わせた時とは比較にならない重傷。蒼司は血を吐きながら崩れ落ちる)

すぎもん:蒼司!!

かなる:なんてことだ! すぎもん君、君が技を外したせいで、蒼司君が……!

(かなるは蒼司を抱きかかえ、治癒魔法(を装った事象改変)を施すが、わざと「完治しない程度」に留める)

かなる:ダメだ、傷が深すぎる……! 僕の魔力でも、すぎもん君が「乱した」空間の歪みのせいで、治癒が届かない……!

聖軍兵士A:すぎもん!! お前、また味方を……! それも今度は蒼司を殺す気か!

聖軍兵士B:お前が団長じゃなければ、蒼司は傷つかなかった! 消えろ! この疫病神!

すぎもん:違う……俺は……!

のあさん:……(震える声で)すぎもん、引くのだ! 今の貴様では、何を言っても届かん!

幽気:……ふん。仲間割れか。興が削がれた。かなる、と言ったか。お前の方がよほど「団長」に相応しい器のようだな。

(幽気は意味深な言葉を残し、霧と共に姿を消す。残されたのは、意識を失った蒼司と、全兵士からの憎悪の視線を浴びるすぎもんだけだった)

(要塞の影。ささとゆうにくが静かに見守っている)

ささ:……うわ、最悪。かなる、わざと回路を狂わせて、すぎもんの技を暴発させたんだね。……ねえ、ゆうにく。すぎもん、泣いてるかな。

ゆうにく:……(拳を固く握りしめ、かなるの背中を睨む)……うほ。

ささ:……そうだね。僕もあいつの笑顔、もう吐き気がするよ。

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