第1期 第11話 『虚空の渦と偽りの称賛』
【場所:ノモンホ要塞・空中庭園】
(レモンの足払いを間一髪で回避したすぎもん。ヌニは、すぎもんの動きが止まった一瞬を逃さず、広範囲の魔力爆破を放つ)
ヌニ:これで終わりだ! 塵一つ残さず消え去れ!
かなる:危ない! みんな、僕の後ろへ! すぎもん君、無理だ、逃げて!
(かなるは兵士たちの前に立ちはだかり、派手な光(ステータスアップの余波)を放って「盾」になっている演出をする。だが、実際にヌニの爆圧に晒されているのは最前線のすぎもんだ)
すぎもん:……逃げない。……『虚空の剣戟・渦潮(うずしお)』!
(すぎもんが刀を円を描くように振る。すると、彼の周囲に漆黒の穴が出現し、ヌニの放った爆発エネルギーが、まるで排水溝に吸い込まれるように虚空へと消えていく)
ヌニ:……な、なんだと!? 私の極大魔法が……吸い込まれた!?
のあさん:……(目を見開く)あれが渦潮。対象のエネルギーそのものを虚無へと還す、すぎもんの防御にして反撃の起点。
すぎもん:……次は、俺の番だ。
(すぎもんが踏み込む。その速度は、かなるが演出で見せている「脚力強化」とは異なり、空間そのものを削って距離をゼロにする異常な踏み込みだった)
すぎもん:『虚空の剣戟・虚閃(きょせん)』!
ヌニ:ぐ……あああああ!?
(一瞬。ヌニの右肩から下が、出血すらなく、その空間ごと「消失」した。あまりの苦痛と理解不能な現象に、ヌニは庭園の床にのたうち回る)
レモン:……(薄目を開けて)うわぁ。えぐいねぇ。あんなの喰らったら、女の子にモテなくなっちゃうぜ、ヌニ。……ま、俺は寝るけど。
かなる:今だ! ヌニは弱っている! 僕が彼の魔力を封じる! ……はあああ!
(かなるは、すでに戦意を喪失したヌニに向かって走り込み、派手な衝撃波を叩き込む。それはただの「追い打ち」に過ぎないが、光の演出により、まるでかなるがヌニを倒したかのように見える)
聖軍兵士A:おおお! かなる様がヌニを仕留めたぞ!
聖軍兵士B:すぎもんがちんたら守っている間に、かなる様が一撃で……! さすがだ!
すぎもん:……(肩で息をしながら、刀を収める。兵士たちの冷たい視線には慣れていたが、懐のまんら君のハンカチが、わずかな心の支えだった)
かなる:すぎもん君、お疲れ様。君が「渦潮」で足止めしてくれたおかげで、僕が仕留められたよ。いい連携だったね。
すぎもん:……(無言で背を向け、去ろうとする)
かなる:……(その背中にだけ聞こえる、氷のような声で)……いい技だったよ。でも、次は「それ」すら出せなくしてあげる。
(すぎもんの背筋に冷たい戦慄が走る。その時、静かに見守っていたささが口を開く)
ささ:……ねえ、ゆうにく。今の見た? かなる、ヌニを殴ったふりして、すぎもんの「気力の回路」に何か細工したよ。
ゆうにく:……(静かに怒りを孕んだ目で、かなるを睨む)……うほ。
ささ:……1日5回の「聖域(バリア消去)」、すぎもんのために残しておいたほうが良さそうだね。
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