第1期 第10話 『片翼のヌニと、やる気ゼロのレモン』


【場所:ノモンホ要塞・空中庭園】

(幽気軍の幹部、両翼の一人・ヌニが待ち構える空中庭園。その傍らでは、派手な服を着た男・レモンが地面に座り込み、退屈そうに欠伸をしていた)

レモン:……あーあ。つまんねぇ。女! 女はいねぇのかよ! この軍勢、むさくるしい野郎ばっかりでやってらんねーぜ。

ヌニ:黙っていろ、レモン。今は聖サンクチュアリ軍を迎え撃つ大事な時だ。

レモン:戦いなんて勝手にやってろよ。俺は可愛い女の子がいなきゃ指一本動かさねーからな。……あ、あそこにいる男の子(ささ)はちょっと可愛いけど……男か。チッ、寝るわ。

(レモンが本当にその場で横になる中、すぎもん、かなる、そしてのあさんたちが到着する)

ヌニ:よく来たな、道化師すぎもん。ここがお前たちの墓場だ。

すぎもん:……ヌニ。幽気はどこだ。

ヌニ:我が主の名を気安く呼ぶな! 喰らえ!

(ヌニの激しい魔法攻撃が降り注ぐ。すぎもんはまんら君からもらったハンカチを懐に、静かに刀を抜く)

すぎもん:……『虚空の剣戟・断層』。

(すぎもんが空間を縦に一閃すると、ヌニの魔法が壁にぶつかったかのように消失する。その鮮やかな防戦に、兵士たちからどよめきが上がる)

かなる:……(一瞬、不快そうに目を細めるが)すごいよすぎもん君! でも、守ってばかりじゃ勝てない。僕が隙を作るから、君はトドメを刺すんだ!

(かなるは身体強化を装い、ヌニの懐へ。しかし、わざとヌニの攻撃をすぎもんの方へ誘導するように動く)

のあさん:……(その動きに気づき、眉を顰める)すぎもん! 左だ!

すぎもん:『虚空の剣戟・影踏み』!

(すぎもんは残像を残して回避し、ヌニの背後を取る。しかし、そこには寝転がっていたレモンが足を伸ばしており、すぎもんは躓きそうになる)

レモン:……おっと、邪魔だぜお兄さん。女連れてこない奴は通さねーよ。

すぎもん:くっ……!

ヌニ:死ねぇ!

(ヌニの追撃がすぎもんを襲う。かなるは助けようとせず、周囲の兵士たちに「すぎもん君が危ない! みんなで祈って!」と叫び、自分は安全圏で「ヒーロー」としてのポーズを崩さない)

ささ:……ねえ、ゆうにく。あのレモンって人、ある意味かなるより徹底してるね。

ゆうにく:……(レモンのやる気のなさに、逆に感心したように)うほ。

すぎもん:……(泥にまみれ、非難を浴び、それでも彼は折れない)……俺を信じなくていい。だが、この道は……俺が切り拓く!

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