第1期 第8話 『数秒先の絶望』
【場所:要塞内・狭隘(きょうあい)な回廊】
(ノモンホ軍の残党を追い、迷路のような回廊を進む聖サンクチュアリ軍。その先頭を歩くのは、常に怯えた表情を見せる少年・団子だった)
団子:……っ!?(突然、目を見開き、ガタガタと震え出す)
聖軍兵士A:おい、団子。どうした、またいつもの発作か?
団子:……来る、くる、くる……! 3秒後、天井が崩れて、右側の壁から槍が……! 逃げて! みんな、後ろに下がって!!
聖軍兵士A:はぁ? 何を言って――
(団子の叫びから3秒後。予言通り天井が轟音と共に崩落し、壁から無数の槍が飛び出した。兵士たちは団子の警告を信じきれず、数名が瓦礫の下敷きになる)
団子:……はぁ、はぁ……! 助けなきゃ、でも、次は……次は5秒後……あの角から、火炎魔法が……!
すぎもん:……団子、無理をするな。あとは俺が――
かなる:危ないよ、すぎもん君!
(かなるが強引にすぎもんを押し退け、前方へ。腕力と脚力を強化したポーズで、崩れゆく天井を片手で支え、もう片方の手で敵の魔法を打ち消してみせる)
かなる:みんな、僕の後ろへ! 団子君、教えてくれてありがとう。君のおかげで被害が最小限で済んだよ。
聖軍兵士B:かなる様! 団子の不気味な予言を、かなる様が力でねじ伏せてくれた!
団子:……(泣きそうになりながら)違う……。僕は、ただ、みんなが死ぬのが視えて……。
のあさん:……(最後尾から冷静に状況を見る)団子の【悲運の予言(バッドエンド・ビジョン)】。数秒後の最悪の未来を視る力だが……。
のあさん:(……妙だ。団子が視る未来は、本来なら避けられるはずのない確定事項。それを「しれっと」無効化してみせるかなる。奴は未来そのものを書き換えているのではないか?)
かなる:……すぎもん君。君、今の崩落で立ち止まっていたね。団子君の言葉を信じていなかったのかい? 団長がそれでは困るな。
すぎもん:……いや、俺は。
かなる:いいんだ。団子君は僕が守るよ。君は後ろで、倒し損ねた残党でも処理していて。
(かなるは団子の肩に手を置き、優しく微笑む。だが、団子はその瞬間に**「数秒後の未来」**を視てしまい、顔を真っ青にする)
団子:……え? あ……あぁ……っ。
かなる:……(団子にだけ聞こえる低い声で)団子君。……君に「僕が死ぬ未来」は視えるかな? 視えないよね。だって、僕には未来なんて関係ないんだから。
団子:……(恐怖で声が出ない)
すぎもん:……団子? どうした。
団子:……な、なんでもない……。すぎもんさん、ごめんなさい……。
(団子は、かなるの背後に視えた「巨大な太陽が世界を焼き尽くす一瞬のビジョン」に言葉を失っていた。それは数秒後の未来ではない。もっと遠い、破滅の光景。だが、軍団の誰も団子の震えを理解しない。かなるという「光」に目を焼かれているからだ)
(一方、最後尾で退屈そうに歩くささとゆうにく)
ささ:……ねえ、ゆうにく。あの団子って子、さっきから「視ちゃいけないもの」ばっかり視てるね。
ゆうにく:……うほ。
ささ:うん、かわいそうに。……真実を知るって、一番の「デメリット」だもんね。僕なら、さっさと透明になって逃げちゃうな。
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