第1期 第2話 『踏みにじられる誇り』
【場所:ノモンホ要塞・外壁付近】
(すぎもんが味方を傷つけたという疑念が渦巻く中、前線の混乱に乗じてノモンホ軍の巨大な影が動く。地響きと共に現れたのは、巨漢・足臭だった)
足臭:……ふん。なつの野郎、手こずりやがって。どけ、雑魚ども。俺がまとめて踏み潰してやる。
(足臭が一歩踏み出すたびに、地面が陥没し、凄まじいプレッシャーが聖軍の兵士たちを襲う)
のあさん:……(杖を突き、前に出る)退け、お前たち!こいつは貴様らが敵う相手ではない。
足臭:あぁ?その声、その鎖……。のあじゃねえか。まだ生きてたのか、その腐った義足でよ。
のあさん:……冥府の縛鎖(ヘル・バインド)!
(のあさんの影から数十本の漆黒の鎖が飛び出し、足臭の巨体を縛り上げる。しかし、足臭はニヤリと笑い、自らの靴の紐を緩めた)
足臭:……「本気出す!」
(一瞬で周囲に鼻を突くような腐臭と、魔力・気力が混ざり合った異様な重圧が放たれる。リミッターが外れた足臭の剛腕が、のあさんの鎖を力任せに引きちぎった)
のあさん:なっ、この馬鹿力が……!
足臭:おらぁ!死ね、老いぼれが!
(足臭の巨大な足が、動けないのあさんを目がけて振り下ろされる。絶体絶命の瞬間、風を切り裂く影が飛び込んだ)
すぎもん:……はぁっ!
(すぎもんが刀で足蹴りを受け止める。しかし、その衝撃で膝が地面に沈む)
足臭:あぁ?誰だ、このガキは。虚空の道化師か。なつが言ってたぜ、味方を斬るのが趣味の腰抜けだってなぁ!
すぎもん:……くっ、のあさん、下がってろ。
のあさん:すぎもん、無理をするな!今の貴様は気力が乱れている!
(遠くの木の上。ささとゆうにくは、退屈そうにその様子を眺めている)
ささ:……ねえ、ゆうにく。すぎもん、また一人で格好つけてるよ。あの足の臭い人、結構強そうなのにね。
ゆうにく:……(鼻をひくつかせ、不快そうに顔を顰める)うほ。
ささ:あはは、そうだね。臭いよね。助けてあげたいけど、あのアホみたいに正直な道化師に貸しを作るのも癪だし、まだ見てよっか。
(戦場の中央。かなるが兵士たちを引き連れて、颯爽と駆けつける)
かなる:そこまでだ!のあさん、すぎもん君、怪我はないかい?
(かなるは一切の魔法を使わず、気力による「脚力アップ」を装って爆発的な踏み込みを見せる。一瞬で足臭の懐に潜り込み、その腹部へ拳を叩き込んだ)
足臭:ガハッ!?……な、何だ、このガキの拳は……鉄塊か!?
かなる:僕はただ、みんなを守りたいだけなんだ。……はあああ!
(かなるは「腕力アップ」を装い、事象改変による絶対的な衝撃を拳に乗せる。足臭の巨体が数十メートル後方へ吹き飛び、城壁を砕いた)
聖軍兵士A:かなる様!やっぱりすごい!あの怪物をパンチ一つで!
聖軍兵士B:それに比べてすぎもんはどうだ。防戦一方で、のあさんまで危険に晒して……。
かなる:みんな、すぎもん君を責めないでくれ。彼は……彼なりに、一生懸命なんだ。ただ少し、力が足りなかっただけだよ。(すぎもんの肩を優しく叩く)
すぎもん:……(かなるの手を振り払う)触るな。
かなる:……(悲しげな表情を作る)ごめんね。でも、無理はしないで。君が死んだら、僕が悲しい。
(かなるの「謙虚な強者」ぶりに、兵士たちのすぎもんへの不信感はさらに高まっていく。だが、のあさんだけは、かなるが殴った瞬間に見せた「一瞬の不自然な空間の歪み」を、その鋭い眼光で見逃さなかった)
のあさん:(……あの拳。ただの身体強化ではない。奴は……何を隠している?)
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