第7話 失敗

 すると。

「柏崎さん、ありがとうございました。ここまで真剣に向き合ってくださる方がいるとは、思いも寄らなかったです。あとは私たちで何とかします」

 ……え?

「そうね、言葉でヤマタノオロチを鎮められるのなら、私たちで何とかできると思うわ」

 真澄さんも、意気揚々と、洋子さんに笑いかけた。

 そして僕のほうを見て。

「ありがと、柏崎さん。これで由梨を助けることができる。さっきはキツい言い方してごめん。それじゃあ、私たちは撮影のスケジュールがあるから」

「あ、そうだった!急がなきゃ」

 ……まあ、彼女たちの問題だ。

 これ以上、僕が助ける義理はない。

 そう思いながらも、アナグラムの英文の内容が、心のどこかで引っかかっていた。

 

 そして家に戻って、僕は洋子さんに頼まれた、ウェブサイトのデザインを、何種類か作り始めた。

 すると、いきなりメールの通知音が鳴った。

 確認してみると、真澄さんからのメールだった。

 文面を見て、びっくりした。

『助けてください、姉が倒れました』

 洋子さんに、何かあったのか?

『真澄さん、今どういう状況ですか?』

 僕は簡潔に書いて、急いで返信した。

 すると。

『姉はうまい具合にヤマタノオロチに言葉を伝えました。が、その最中に意識を失いました。今は県立中央病院に搬送されて、意識はまだ戻っていません。いちおうパソコンを持ってきていますが、画面上には姉の姿が表示されています。多分インカメラがオンの状態だったからだと思います』

 一体どういうことだろうか。

 取り敢えず真澄さんに、僕も病院へ向かう、とメールを送り、車を走らせた。

 

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