第4話 孤独感

 我が家に着くと、僕はシャワーを浴び、クラシックを流した。

 ムソルグスキーが好きだが、彼は晩年、病院で孤独に亡くなったと聞く。

 僕は今、ひとりきりだが、将来はどうなるのだろうか。

 何とか生活の糧は稼いでいる、でも。

 そう思うと、一気に虚しさを感じた。

 その形容しがたい感情は、幼い頃からずっとある。

 過去の記憶をかき消すようにして、僕はソファに横になって、軽く微睡んだ。


 パソコンの通知音で、目が覚めた。

 確認すると、洋子さんから、メールが届いていた。

『柏崎さん、さきほどはご丁寧にありがとうございました。私は古本業で、パソコンに不慣れなものです、サイト作成に関しては、右も左も分からずでした。ですが柏崎さんのデザインがとても素敵なものでしたので、これからウェブサイト作成を依頼させていただきたいと思います。あとは、ヤマタノオロチのウイルスの件ですが、妹の真澄と話し合いまして、来週の日曜日なら空いているとのことです。柏崎さんのご都合を、またお聞かせください』


 洋子さんのメールを見て、柔らかな言葉遣いで、心が温まった。

 さっきも、昔からよく見ていた悪夢を見たからだった。

 そして僕はキーボードのキーを叩いて、返事を送信した。

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