四夜 べんとうのはなし
その日も有紗は、夜、河原のベンチにいた。
「うーっす」
「来たか」
短い挨拶をして、俺はベンチに座る。
「今日ね」
有紗が話し始めた。
「お弁当忘れちゃってさ。
もー、大変だったのよ」
右手で頭を抱えながら、有紗が言う。
「ほう。それは災難だ」
俺は有紗を見ながら、短く返事する。
「まぁ、購買でパンを買えばいいんだけどね。
私、パン好きでしょ?
そうなると、ついつい食べ過ぎちゃうわけよ」
パン好きというのは初耳だが、まぁそれは受け流そう。
有紗が続ける。
「5つも食べちゃってね。
お腹いっぱいで、一日中苦しかったの……」
「5つ!?
嘘だろ?」
俺は驚愕を隠せなかった。
パンは炭水化物だ。
俺でも4つが限界だぞ……?!
いや、1つ1つのサイズが小さければ、或いは……うーん……。
「嘘じゃないよ!
見る?」
そう言って、有紗は写真を見せてきた。
「……どれも、結構デカい。」
「ん?」
有紗が"何か言いたいことでもあるのか?"と言う顔で俺を見る。
星明かりで、緩やかな水面に宇宙が浮かぶ。
そうやって、
その日の夜は更けてゆく──。
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