なろうワナビが異世界転生したら、ノートスキル【創造主】で天変地異を起こす。

彼方夢

第一章 ワナビ、死す。

第1話 ワナビ、テンプレの死に方をする。

 思えば、ライトノベル作家を志したのはいつからだろうか、と俺――脇田 冬至は死にゆく時に走馬灯の中で考えていた。

 たしか、涼宮ハルヒを読んだのがきっかけだっけ。若かったなぁ。あの時は中学生で、俺もこのような傑作が書けるのだと信じて疑わなかった。

 だが、現実は総じて違うものだ。

 感覚がどんどんぼやけるなか、最後に吐き捨てた言葉は――

「まだ小説、書いていたかったな」

 という悔恨だった。



 ■□■


 目を覚ます。いや、もう死んでいるのだから「覚ます」という言葉は間違いかもしれないが。

 周囲を見渡すと草原が広がり、兎が地面を蹴って進み、鳥が囀る。そんな平和な世界が広がっていた。

 なんと優美な状況なのだろう。俺は原っぱに寝転がる。土の匂いが鼻腔をくすぐる。

 欠伸をした。甘い睡魔が襲ってきたのだ。

 いっそのこと眠ってしまうのもいいかもしれない。

 ――ドサッ。


 何かが落ちた音がした。それに目を遣ると一冊のノートとペンが転がっていた。

 ……デス◯ートか?

 俺は立ち上がり、ノートを拾う。

 もし仮に死神のノートだとしたら、少し面白いな。

 試しに目の前の鳥が死ぬ、と書いた。

 三十秒待たずともすぐに鳥が枝葉から落ちた。息はもうしていない。


 やはり死神のノートだったか。

 捨ててしまおうか迷ったが、結局身につけておくことにした。



 このときの俺は、このノートが万物を司るものだとは知りもしなかった。



 

 

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