歌姫

*** 歌姫 ***


璃胡先輩:まったく、世話が焼けるわね。


 気がつくと、私はほたるさんと一緒に、船の甲板に横たわっていました。


塩見先輩:香山、捕らえました。


私:ほたるさん……!

璃胡先輩:多匂、愛着湧いてんじゃないわよ。


 璃胡先輩はなにやら小さな杭のようなものを取り出し、ほたるさんに近づきました。


私:待って、璃胡先輩! ほたるさんは言葉を話せないんです!

璃胡先輩:おらっ、香山。舌を出せ。


 璃胡先輩はほたるさんの舌を引っ張りだし、手元の杭のようなものを強く振りかぶりました。私は思わず目を覆いました。


私:きゃっ!


ほたるさん:うぐっ!


璃胡先輩:金属言語の器、舌ピアス…… 言論の力を制御できるわ。これでこいつは一応話せるようになる。

私:璃胡先輩っ! ありがとうございますっ!!

ほたるさん:面目ない……


 大学による言論の炎は、阻止できました。私たちが島に戻ると、退院した夏蜜柑さんが無事を祝ってくれました。夏蜜柑さんと璃胡先輩は、魔法が使えなくなっていました。この一件で、先輩たちはほたるさんと仲良くなれないかもしれませんが、ほたるさんはきっと先輩たちにも感謝しています。


 私は宿泊家屋の荷物を取りに、ほたるさんと一緒にあの町に戻りました。ほたるさんは花さんとここで平和に暮らすそうです。



言論の冬 完

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言論の冬 夏上すおん @celiaconlang

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