第3話 毎日が福男

 四限目の終わりが近づく。きみたちはそわそわする。指をポキポキ鳴らす奴もいる。

 十月になってから日に日にエスカレートしていることをきみたちは自覚している。

 しかも今日の四限目はあまりうるさく言わない先生だ。


 きみたちは緊張する。

 席の配置はあまり関係ない。それはわずかなハンデにしかならない。


 中にはバカにする奴もいることはきみたちも知っている。

 たしかにバカだときみたちも思う。しかしこの緊張感がたまらない。

 そしてその褒賞もきみたちには魅力的だ。


 もはや授業に集中できない。時計とにらめっこだ。

 勝負はチャイムが鳴る前についているかもしれない。


 ――今日はここまでです。

 チャイムが鳴る前に授業が終わったぞ。

 ――起立! 礼!

 それがスタートの合図だ。


 きみたちは教室の外へと飛び出した。

 目指すは学食の季節限定パン。

 今日は誰が福男になれるかな。




**********

2025年10月8日 monogatary.com お題「チャイムがなる前に」

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