【第一章:突然の来訪者と再会の喜び3】

アレンは顔を少し赤らめ、手を振りほどいた。「ちょ、ちょっと待ってくれ。好きって……そんな急に言われても困るよ。俺はここで一人で暮らすつもりだったんだ。戦いはもうこりごりだ。知識を活かして、街の人を手伝うくらいで十分さ。でも、君たちが来てくれて嬉しいよ。まずは旅の話を聞かせてくれ。魔王の残党は全滅したんだろう? 勇者ライアンはどうしてる?」


エルザが腕を組んで、得意げに語り始めた。「ああ、残党どもは全部ぶっ倒したぜ。一年かかったけど、俺たちの力でな。最初は魔王の副将みたいな奴が山奥に隠れててさ、俺の剣で真っ二つにしたよ。脳筋パワー全開だったぜ! でも、アレン、お前がいなくなってから、道に迷ったり、罠にかかりそうになったりで大変だったんだ。勇者は『アレン抜きでも力で勝てる』って言ってたけど、甘かったな。ははは!」エルザの話は活き活きとして、ジェスチャーを交えながら続く。彼女はクッキーをもう一つ取って、ガリガリ噛む。


セリアがエルザを軽く睨みながら、詳細を補足した。「エルザ、言葉が乱暴よ。でも本当よ。アレンさん、残党狩りの旅は過酷だったわ。森の奥でドラゴン型の魔物が出てきて、私のバリアが何度も破られそうになったの。ミラの火魔法で焼き払ったけど、あなたの知識で弱点を知ってたら、もっと楽だったのに……。勇者ライアンさんは王国に戻って、第一王女と婚約したわ。派手な式が予定されてるらしいの。パーティーは完全に解散して、私たちは任務から解放されたの。だから、迷わずあなたのところに来たわ。アレンさん、あなたがいると、安心するのよ」セリアの声は優しく、旅の苦労を淡々と語るが、目にはアレンへの想いがにじむ。


ミラが横から割り込んで、興奮してテーブルを叩いた。「そうそう! 勇者が解散宣言した時、私たち三人で『アレンのところ行こう!』って即決したんだよ。アレン、ここでの生活、教えてよ。海で泳いだりしてる? 私、魔法で波を操ってサーフィンしたいな~。あ、夕食は何作るの? お腹ペコペコだよ!」ミラの質問攻めは止まらず、彼女は立ち上がってキッチンを覗き込む。


アレンは苦笑しながら立ち上がり、キッチンに向かった。「わかったよ、夕食作る。地元の魚介でパスタでもどうだ? 栄養バランスいいんだ。みんな、旅の荷物置いて、くつろいでてくれ」アレンは材料を揃え、魚を捌き始める。エルザが手伝おうとして包丁を取るが、「おい、エルザ! 力任せに切ったら魚が潰れるよ。俺の知識で、正しい捌き方教えるから」とアレンが止める。


夕食の準備中も会話は続く。エルザがワインの瓶を開け、「これ、旅の途中で買った王国産だぜ。乾杯しようよ、アレン!」セリアがグラスを配り、「アレンさん、ありがとう。こんな温かい家で、癒されるわ」ミラが魔法で火を調整しようとして失敗し、「わー、火が大きすぎた! アレン、ごめん~」とパニックになるが、アレンが知識で火加減を直す。


夕食のテーブルでは、海鮮パスタを囲んで話が弾む。エルザが大口で食べ、「うまいぜ! アレン、お前の料理スキル、魔王級だな」セリアが丁寧にフォークを巻き、「アレンさん、この味、懐かしいわ。パーティー時代を思い出す」ミラがパスタを浮かべて遊ぼうとして落とし、「あはは、失敗! エルザお姉さんの皿に落ちちゃった」みんな大笑い。

夜遅くまで、再会の喜びと旅の思い出話が続き、アレンの家は笑い声で満ちた。

静かな生活が、賑やかなものに変わり始めていた。

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『勇者に用済み認定されて隠居したら、元お姉さんパーティーが押しかけてきた』 本城 翼 @zeitaku_miruku

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