【第一章:突然の来訪者と再会の喜び2】

突然、遠くの道から馬の蹄の音と車輪の軋みが聞こえてきた。アレンは顔を上げ、目を細めて道の先を見た。馬車が一台、丘を登ってくる。


馬車から降りてくる三人の女性の姿が見えた。銀色の鎧を着込んだ金髪の女騎士、白色の聖袍をまとった銀髪の女聖女、赤いローブの黒髪の女魔法使い――まさしく、エルザ、セリア、ミラだった。アレンは作業の手を止め、立ち上がった。土がついた手を拭きながら、信じられない表情で呟いた。「え……本当に君たち? どうしてここに? 夢じゃないよな……」


エルザが最初に声を上げ、豪快に手を振った。「おい、アレン! 久しぶりだな! 元気にしてたか? 俺たち、ようやく魔王の残党全部片付けてきたぜ! 馬車で三日三晩走って、ここに来たんだよ。疲れたけど、お前の顔見たら元気出たわ!」彼女の声は大きく、脳筋らしいストレートさで響く。鎧の音がカチャカチャと鳴り、長い金髪が風に揺れる。エルザはいつも通り、力強い歩みで近づいてきた。


アレンは慌てて庭のフェンスを開け、彼女たちを迎え入れた。「エルザ、セリア、ミラ……本当に君たちか? 一年ぶりだな。魔王の残党狩りは終わったのか? みんな、無事でよかった。入って、入って。家は狭いけど、お茶くらい出せるよ」アレンの声は少し震えていた。驚きと喜びが入り混じり、眼鏡の奥の目が輝いていた。

セリアが優しく微笑みながら、アレンの手を軽く握った。「アレンさん、元気そうで本当に良かったわ。私たちも無事よ。あなたがいなくなってから、パーティーは少し寂しかったの。あなたの知識が恋しかったわ。この家、素敵ね。海が近くて、穏やかそう」セリアの声は穏やかで、包容力のあるお姉さんらしい温かさがあった。彼女の銀髪が陽光に輝き、白い聖袍が風にそよぐ。いつも皆を癒やしてくれる存在で、アレンも彼女の存在に安堵を覚えた。


ミラが横から割り込み、興奮気味にアレンの肩をポンと叩いた。「そうそう! アレン、久しぶり~! 私たち、勇者がパーティー解散したから、すぐここに来ちゃったよ。あなたの住所、セリアお姉さんが神託で調べてくれたんだ! ここいい場所ね、海が近いし。さっそくお邪魔しちゃおうかな~。お腹すいたよ、何かごちそうして!」ミラの目はキラキラ輝き、グイグイ来る性格が全開。赤いローブの裾を翻し、好奇心旺盛に家の中を覗き込んでいる。


アレンは三人を家の中に案内した。リビングはシンプルで、壁一面の本棚が知識人の彼らしい。木製のテーブルと椅子が四つ、窓からは海が広がる絶景。暖炉の近くに小さなキッチンがあり、アレンはすぐに湯を沸かし、お茶を淹れた。四人でテーブルを囲み、アレンがクッキーを添えて出す。「これ、地元のハチミツを使ったクッキーだよ。栄養価が高くて、疲労回復にいいんだ。みんな、遠くから来て疲れただろ? ゆっくりして」

エルザがクッキーをガブリと一口かじり、満足げに頷いた。「うまいぜ、アレン! お前の知識で作った料理はいつも最高だな。魔王戦の時も、お前の即席料理でみんな生き延びたよな。あの毒の森で、解毒ハーブ見つけてくれた時、俺助かったぜ。ははは、脳筋の俺じゃ、食って死んでたかもよ!」エルザの笑い声が部屋に響く。彼女は鎧を脱ぎ、椅子にドカッと座って足を組んだ。


セリアがお茶をすすりながら、優しくフォローした。「エルザの言う通りよ。アレンさん、あなたの知識がパーティーの命綱だったわ。残党狩りの旅で、何度も迷った時、『アレンさんならこの道を知ってるのに』ってみんなで話してたの。勇者ライアンさんも、時々あなたの名前を出してたわよ」セリアの目は優しくアレンを見つめ、包容力のある微笑みが浮かぶ。彼女はクッキーを丁寧に食べながら、旅の疲れを癒やすように深呼吸した。


ミラが目を輝かせて、アレンの手を握った。「そうよ、アレン! 私なんて、魔法の研究で詰まった時、毎回『アレンに聞きたい!』って思ってたんだから。残党狩りで、魔物の巣窟に魔法ぶっ放したけど、あなたの弱点分析なしじゃ効率悪かったよ~。で、詳しく聞かせて! ここでの生活、どう? のんびりしてる? 私たち、みんなアレンのことが好きだったんだから、ここで一緒に暮らそうよ! 拒否権なしよ~」ミラの言葉はストレートで、グイグイ来る。彼女はアレンの手を離さず、ワクワクした表情で家の中を見回す。

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