いーなーぁ

 侑実が孤立して二日目、ついに桜乃さんが動き出した。

 

 

 ずっと侑実と里香たちの様子を伺っていた桜乃さん。

 

 ついに桜乃さんが侑実に声をかけた。

 

 それは、二時間目と三時間目の間。

 次は、移動教室だった。

 

「あの…一緒にいかない?」

 恐る恐る侑実に話しかける桜乃さん。

 

 やっぱり桜乃さんって…すごくね?

 

 普通、自分をいじめてたやつがハブになったら、ざまぁなやつって心で笑うところじゃん。

 

 でも、桜乃さんは自分のせいで今こういう状況になってしまって、申し訳ないとすら思えて、移動教室誘えるなんて、やっぱり桜乃さんは…やっぱり、桜乃さんが好きです。

 

 

 …

 

 フラれてるくせに、未練たらしいオレは…やっぱりみにくいですね。

 

 ごめんなさい。

 

 オレの予想だけど、たぶん侑実が桜乃さんに謝ったから、ハブになったとオレは思っている。

 

 そんな桜乃さんの言葉に驚いたのは、侑実ももちろんだけど、里香たちも驚いたようだ。

 

 そうだよな。

 

 そりゃ…ね。

 

 で、侑実はどうするんだろうなって気にしない感じで、そっと見守っていると…

 

「えっ…うん」

 と、戸惑いながらも少し嬉しそうに侑実は、返事を返していた。

 

 桜乃さんは、やっぱりすごい力を持っているんじゃないでしょうか?

 

 オレのみるめは、スパラシィ‼︎

 

 すっパラスゥぃ〜です。

 

 まぁ、フラれたけど…

 

 それからは、一軍に入ることもなくなった侑実は、桜乃さんと行動をともにしていた。侑実のギャルは、健在だけど。

 

 

 オレたちは、そのまま侑実なしで五人で過ごすことが多くなった。

 

 里香も由華も侑実の話は、全くしない。

 

 

「なぁ、実はさ…」

 とある休み時間、篤人がなにやら言いにくそうな、変な雰囲気でオレたちに話しかけた。

 

 もちろんオレたちは、篤人に注目した。

 

「なに?」

「えっとー…実は‼︎オレ…」

「なんだよ?もったえぶんなし」

「そうだな、実は‼︎彼女ができました‼︎相手は、由華です‼︎」

 と、由華を隣に導いた。

 「「えー‼︎」」

 オレと稜は、驚いた。

 

 里香は、知ってたっぽい。

 

 まぁ、なんとなくいい雰囲気ではあったけどな。

 

 休み時間は、二人の話で盛り上がった。

 

 いいなー。

 

 いいなあー。

 

 オレだって…モテるけど…

 

 でも、でもさぁ‼︎

 

 でもでもなんだよなぁ。

 

 あーあー。

 

 いーなー。

 

「羨ましいんですけどー」

 

 オレの言葉に里香が

「あー大介は…ゆ…いや、なんでもない。忘れて」

 と、慌てて侑実をみた。

 

 そして、侑実がこちらをみていなかったことに、安心していたっぽい。

 

 ?

 

 侑実に聞かれちゃまずいことでもあったのかな…?

 

 よくわからないけど、カップル成立の話を聞くと、テンションが上がる。

 

 まぁ、上がるだけですけど。

 

 一気に下がるよね。

 

 心のアトラクション。

 

 いらんやつ…

 

 そんないらんアトラクションから、即座におりて、今度はフリーズ。

 

「どんまい!大介。でも、まだ希望はある」

 そう言いながら、オレの肩をたたいたのは里香だった。

 

 えっ?

 

 もしかして…

 

 里香は、もしかしてオレが桜乃さんを好きで、さらにフラれたこと…知っているんじゃ…。

 

「え…それって…」

「ま、いいんじゃない?うちらは、あれだけど…好きなら自分で引き戻しなよ?」

 そう言いながら笑う里香。

 

 

 …

 

 引き戻す?

 

 いや…そもそも、戻すもなにも…はじめから、ごめんなさいだったけどね…。

 

 里香は、何を言っているんでしょうかね…。

 

 そんな、意味不な後押しの中…

 

 郊外遠足みたいなプチイベントが学校で開催される。

 

 グループは、男女四人で構成される。

 

 一度男子二人女子二人になり、男女一組になるとの司令がくだされた。

 

 で、篤人は気をきかせてくれたみたいで、サッカー部の仲間と組むから、大介と稜は組みなよと、言ってくれた。

 

 そして、女子は女子で二人組になった。

 

 その後、くじ引きで男女がグループを組むという流れだ。

 

 篤人は、由華と同じ班になった。

 

 イカサマやんって、オレたちが茶化すと篤人は、

「運命って…すげ〜‼︎」

 と、テンション爆上がりだった。

 

 おめでとう御座います。

 

 そんな、爆上がりカップルは放っておきましょう。

 

 で、オレたちは…

 

 なんとも偶然にも、侑実と桜乃さんと一緒になった。

 

 嬉しいけど…でも気まずい。

 

 あの事件以来…ほぼほぼ会話してなかったから、とっても気まずいです。

 

 ある意味…これも運命ってやつですねー。

 

 …

 

「「よろしく」」

 オレたちの言葉に丁寧に桜乃さんは、こたえた。

「よろしくお願いします」

 って。

 

 侑実も

「よろ」

 って、少しよそよそしくも返事をしてくれた。

 久々に侑実とも話した。

 

 

 プチ遠足…

 

 楽しみだけど、リュックの他に気まずいを背負っての遠足なので、どうなることやらですが、なるようになるしかありませんね。

 

 …

 

 続く。

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