最強を目指す少年。

つとむ君

第1話  異世界転移。

 2026年1月の地球の日本の片隅に、山野円都と言う今年36才に成る男が居た。


 円都は両親と3人で暮らして居たが他に親戚も無く、父親が今年定年を迎える65才に成り、母親が62才を迎えて其れぞれの老後を迎えようとしていたが、母の陽子に膵臓ガンが見付かり、既にステ-ジ4の末期に成ると言う事が判った。


 父の康人は妻大好きおじさんで、定年を今年迎えても妻の陽子が亡くなれば、と思うと居ても経っても居られずに、最近は疲れ気味の毎日だった。


 そして妻の陽子の定期健診の日が来て、円都も同乗して病院に向かっている時に、疲れ気味の康人が車の運転中に居眠りをして、対向車線にはみ出した所に運悪く、砂利を満載したダンプカーと正面衝突を起こした。

 

 後部座席に座っていた円都も只では済まず、意識が遠のいて行く途中に、衝突する手前で妻を庇おうとした康人が手を妻の方に出しているのが見たのが最後で、気が付いたら粗末なベットに寝ている自分が居た。


 何やら頭には包帯の様に布が巻かれ、手には青あざが数か所に有り、体を起こそうとすると体のあちら此方が痛み乍らも、俺は「ダンプと衝突して良く助かったな」と心で呟きながら目を開けた。


 俺が寝ていたのは矢鱈に粗末な屋根が見え、窓には板が張られただけの様で其処を半分開けられていたが全く寒く無く、逆に暑い位で微かに汐の匂いと磯の匂いが漂って来ていた。


 傍にいた知らない青年が「マルト。目が覚めたか良かった。今回は駄目かと思ったが目を覚まして呉れて嬉しいよ。」と言いつつ、俺の頭に巻かれていた布を新しいのに変えて呉れた。


 俺は何かが違うと思い家を見渡していると、突然俺以外の人の知識が流れ込んで来て頭が割れそうな感覚が襲い頭を抱えると、俺を看病して呉れていた男が「まだ無理はするな、しこたま頭と体を叩かれたのだから」と言った。


 俺は其処で「叩かれた?」と成って、何か可笑しなことに成って居る事に気が付いた。


 しかし俺を看病して呉れていた男を知っている。確かミカロンと言う名の俺と同い年の仲間で、グリガンと覇権を争ってガキ同士で争いをして、負けた事を思い出したがこれで2勝3敗に成り、俺はミカロンに「今回は負けた事で、俺は潔くここを出る」と言うと、ミカロンが「俺もこの村を出る。二人で行こう。」と言ったが、俺はミカロンに「お前はここに残れ、俺は王都コルトに行き冒険者に成る。俺のスキルは冒険者向きだが、お前のスキルは薬師だ、とても冒険に向かないし、ここに残る方が良い、俺が居なく成ればグリガンも攻め手は来ない筈だ。俺はこの傷が治ると旅に出る。」と言うと、ミカロンは黙ってしまった。


 ミカロンには両親と妹と弟が居て田畑も結構ある。ミカロンは其処の働き頭だし長男だ、それに引き換え俺は両親が既に他界し、2年前から天蓋孤独だし、何をしようが迷惑を掛ける人はいない。


 俺は徐々に円都とマルトの記憶が融合し始めて、俺がこの異世界に転移して来た事を理解し始め、マルトのスキルと円都が転移する時に付与されたスキルが、力を発揮すると考え始めた。


 この世界では12才の天祭の儀でスキルを頂くが、俺は其処を通過していないが、転移時に幾つかのスキルを付与されていた。通常スキルの鑑定と全魔法を頂き、パッシブスキルの異空間倉庫と言語理解の四つのスキルを頂いていた。


 マルトの記憶ではスキルは大体が1人一つで、稀れに例外の二つと言う人が居るそうだが、俺の場合は魔法だけで7属性の魔法が扱えるように成り、其処に鑑定も有り大まかに言っても8個のスキル持ちの様だ。


 魔法は今の世界では7属性だが、過去の世界の今から1000年ほど前には10属性の魔法が有ったと言う記録が残っていたが、マルトは其処まで知らないので、今は7属性が最高と思っていても仕方が無かった。


 その属性が風・水・土・火・令・無・光・の7属性だが、光魔法の使い手は今の世界にはいないとされている。それは光魔法を使えるのは勇者だけという認識が有ったからだ。


 そのほかにこの世界の人々が努力次第で生活魔法と、グリシア教が行う修練により治癒魔法が使える様に成る者もいた。


 生活魔法は属性には含まれず、努力すればだれでも覚える事が出来、治癒魔法は教会の司祭やシスタ-が覚える事が出来るだけで、属性魔法には含まれていないが、魔力が高く無いと覚えても無駄に成るとされていた。

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