第2話 連続ジャブ

 なんやかんやでとりあえず仲良くなろう計画。係長はもうバランスブレイカーのいる場所の目星はついているらしい。


「あのオッサンたまに有能なるよな。」


 俺はシファーと共にその場所である、長野県の大きな倉庫に向かった。なんと他人の家の倉庫に住みつくとかいう最悪な野郎らしい。


 倉庫の目の前。人気は感じない。


「でも係長、なんか来れないらしいよ。」


 いやなんでだよ。言い出しっぺはこいよ。


「…まあいいや、シファーと俺いれば十分、ルーラも電車乗り違えて遅れるけどまだ…」


 いや、初っ端からあまりにもグダグダすぎやしないか、大層な計画掲げといて大丈夫なんかこれ…


「シンジ、きたよ。」


 刹那──


 半径50mの物が吹っ飛んだ。とんでもない威力。手練れのバランスブレイカーだろう。


「久々の喧嘩だな。ぶっ飛ばしてやろうじゃ無いの」


「シンジ、殺すなよ?」




 相手は1本のギターを持ち立っていた。

「てめえ!誰だか知らねえが俺の家に入ってこようものなら絶対に許さねえ!」


 「家じゃなくて、人ん家の倉庫でしょうが!!

「マジックブラスト。」


 シファーが先制攻撃。彼はthe普通。に見せかけた超能力者だ。

『マジックブラスト』

 シファーの実家、ドイツのバランスブレイカーばっか生まれる家系、アダルベルト家相伝の技。超能力を一点に集め、放出する。あいつにとってはジャブみたいな物だ。


「さあ、あんたの耐久力はどんくらいだ…?」


 …あれ、


 パタッ。


「……失神してる…!」



 「いやーシファーさん流石っすねー。」

「いやこんなあっさり…?」


 …いや、そんなことはなさそうだ。


「シンジ、これは…?」


「体が分裂した…?」




「自己紹介がまだだったな!2人のバランスブレイカーよ。」


「我はテレキャス!」

「我はストラト。」


「我々は2人で一つのバランスブレイカーだ!」


「へー、おもろい奴もいるもんだな」


 ではまず、我から行かせてもらおう!

 テレキャスの攻撃。

「スペースカッティング!!」


 テレキャスがギターをジャカジャカならす。

 そのギターからキレキレの音波が飛んできて、当たった木が真っ二つに切れた。


「危ねえ奴だなあ。シファーそっち頼んだ!」


「おうよ」


「…んで、お前は突っ込んでこない冷静タイプ気取りか?」


「我は積極的に攻撃をするタイプでは無い。ただ……」

 空気が変わる。

「戦闘不能に追い込む技術は群を抜けている!

 くらえ!スペースハーモニクス!」


「なっ…!」

 頭がクラクラする。視界が歪む。


「さあ眠れ。じきににテレキャスがお前を永遠の眠りに誘うだろう。」


 フラフラになりながら俺は言った。

「ってことは、早めに決着つけたほうがよさそうだな。」


「…いくぞクソ音波野郎。」


〔言葉を放った瞬間、山田シンジはストラトの背後にいた。〕


「…!なz」


 シュドドドドドドドドドドド


 ストラトはとてつもない連続のジャブの餌食になった。


「何……だ…と?」

「自己紹介がまだだったな。鈍足分裂野郎。」


「俺は田中シンジ。地上最速の男だ。」


ストラトは必死に技を繰り出す。

「スクウィール・ハーモニクス!」


先ほどと違い、攻撃的かつ広範囲の音波が俺のことを襲う。


けど、それじゃあ


 「トロすぎ。」



───────


「うし、始末完了。」

思ったよりボコってしまったが、まあご愛嬌。

「シファー、そっち…も、大丈夫そうだな。」


見た時にはもう決着がついていた。


「次暴れたらマジで潰すからな!」


「まあまあ、あ、それ連絡先、困ったら連絡してね」

さっきあんなボコボコにしておいて、ことが終わったら連絡先を渡す。個人的にシファーの方がサイコパス味があって怖い。


「はい…迷惑かけてすみませんでした…。」


「なんでまた倉庫に勝手に住んでたのよ。」


「金なくて…俺ギタリスト目指してたんすけど、それだけじゃ稼げなくて…。」


…係長の有能ムーブがここで遺憾なく発揮していて、俺達は驚き目を見合わせた。

そして、説明をしてやった。


「ちょうど、俺らの拠点の近くにデカめのシェアハウスがある。そこに住め。その代わり俺らの代わりに家事やれよ〜?」


「あ、ありがとうございます!!」


とりあえず一件落着。途方もない旅だけど、まあなんとかなりそうだ。


「…あれ、シンジ、ルーラは?」



「あ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

今からお前を100000000回ブン殴る @33-3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画