第10話 初めての大型モンスター討伐とライバルとの直接対決


カルナスの町に朝の光が差し込む。

川谷ゆうじは昨夜のDランク昇格を振り返りながら、今日の依頼に胸を躍らせた。

「今日は……初めての大型モンスター討伐か」


掲示板に貼られた依頼書には、町外の森で暴れる大型ゴブリン討伐と記されていた。

報酬はSランク依頼の布石として十分な額だ。

「これで……さらに成長できるはず」


ギルドの広間で、サフィアと再会する。

「今日の依頼は危険だけど、二人なら大丈夫」

その笑顔に、ゆうじは自然と頷く。

「はい、気を引き締めます」


森へ向かう道中、ゆうじは転移スキルで小道を飛び越え、時間を短縮する。

Fランク時代には考えられなかった速度で、森の入口に到着した。

「転移は……やはり戦術の幅を広げるな」


森の奥へ進むと、大型ゴブリンの咆哮が響く。

Fランクで挑むには明らかに危険な相手だ。

「まずは変換で能力を上げる……!」

ゆうじは手持ちのゴールドを投入し、筋力・体力・素早さ・運を最大限に引き上げる。


戦闘開始。大型ゴブリンは巨体を揺らし、攻撃を仕掛けてくる。

転移で攻撃をかわし、石や木片を使って注意を逸らす。

サフィアの魔法で支援を受けつつ、戦闘を有利に進める。


戦いの最中、後方に影が差す。

振り返ると、リオ・ヴェルンが剣を構え、挑発的な笑みを浮かべていた。

「やるな……Dランクでもここまで戦えるとは」

ゆうじの心に、燃えるような闘志が宿る。


リオは大型ゴブリンを狙うが、ゆうじの転移戦法で位置を崩される。

「ここで……俺の戦略を見せる!」

変換で上げた筋力を活かし、攻撃を誘導して隙を作る。

サフィアの支援魔法も完璧に噛み合い、二人は協力して敵を翻弄する。


激しい戦闘の末、ついに大型ゴブリンは倒れた。

息を整え、ゆうじは達成感と共に胸の高鳴りを感じる。

「Fランクからここまで……成長したな」


リオは息をつきながらも、ゆうじに向き直る。

「……認める。次は負けない」

その言葉には、悔しさとともに尊敬の光が宿っていた。

ゆうじも小さく頷き、互いにライバルとしての覚悟を確認する。


森を抜け、村に戻ると、村人たちの歓声が響く。

「ありがとう! 本当に助かった!」

報酬として手に入ったゴールドを変換に回し、さらに筋力や体力を増幅させる。

素早さや知力も上がり、Dランク冒険者としての能力は確実に強化された。


帰路、サフィアが笑顔で言う。

「今日のあなた、頼もしかったわ」

胸の奥に、仲間と共に戦う喜びと絆を感じるゆうじ。

「これからも……もっと強くなる」

心の中で静かに誓う。


夜、ギルド宿で一人、ゆうじは今日の成長を振り返る。

「転移と変換、戦略と連携……これが俺の力」

国外追放から始まった冒険者生活は、仲間との絆、ライバルの存在、

そしてスキルの成長で、確実に加速していた。


異世界アストラリオでの物語は、まだ始まったばかり。

だが川谷ゆうじの冒険は、FランクからDランク、そしてSランクへ向けて

着実に歩みを進めつつあった。

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