第2話 コカトリス
「いつ見てもきっしょいなこいつ」
足の下に踏んづけてる死体
コカトリス‥
鶏の身体に蛇の尾を持つD級モンスター
蛇の尾つっても蛇の尻尾ではなく尻尾が蛇の頭になってるんだが‥なんてヘンテコな生き物だ。まぁ、だが
面白おかしく見えても大きさは狼と変わらず大の男を裂き殺せる程のパワーと爪を有してる。
モンスターと言われている以上、化け物ということに変わりはないってことだ
「しっかし、要請者はバルーンを本当に飛ばしているのか?」
いくらなんでも森を目印なしでは見つけられまい。そのために要請バルーンを飛ばしているはずだが‥
「ん?なんだ?」
ピシャァ‥という爆発音が聞こえると共に
花火のように炎が舞い上がった
おおよそ察しはついた
「おお、なかなか賢いことをする」
バルーンが無いか、壊れたのだろう
最後の希望を込めて目印を作ったのだな
正直これはお勧めしない
バルーンと違い、高度が低いところで魔法が消えるし音や光に敏感なモンスターも目印にやってくるからな、賭けだったのだろう
「急ぐか、近かったのがラッキーだな」
skill︙疾走
効果︙移動する速度が通常よりも上昇する
近づいてきたな、もうそろそろ‥
「あっ、こっちです!」
いた、小柄な白髪の魔法使いであろう女の子
と僧侶っぽい女の子
横たわっている男が麻痺した奴だろう
「あんたらだな?要請したってのは」
「はい!そうです。リーダーが毒をくらちゃって‥」
「僧侶は?」
「すみません、それが‥」
あーね、E級だから【癒し】しかできない感じね。だからキャリーパーティは危ない
リーダーが不能になったらサポートすることができないからな
多分女にいい所でも見せたかったのか?
「すみません‥まさかゴブリンがコカトリスの繁殖地にいるとは‥」
「ゴブリンにとってコカトリスはいい食料だからな、繁殖地で狩りをしているゴブリンと出会ったのだろう」
人間のみがコカトリスの素材を必要としているのではない。
羽毛は弓の矢羽根になるし、カーブ状の爪は短刀や鎌に加工できる
繁殖力のつよいゴブリンにとっても新兵に装備を分けるためにもコカトリスはいい素材だろう
「すっ、すみません‥」
「いや、いいよ。軽く【癒し】して毒の効果を短くなった」
「はい‥」
どうやら僧侶は自責をしているようだ
今回の件でもう迂闊には行動しないだろう
このように冒険者として成長していくはずだ
「とりあえず、そいつを背負うから出るぞ」
「「はい!」」
ザッ
む、遅かったか
案の定2匹のコカトリスが寄ってきた
足で折るか?いや、人背負ってそのような動きは危険か
一度降ろそう…
「ここは私がやります!」
魔法使いが声を張り上げる
おお、なんとも勇ましい。
声は震えているが目には熱がある
臆病だと勝手に思っていたが意外と度胸があるなこの子
ちょうど人を担いでるし任せようか
‥
‥
あ!、まぁ一応ね
「蛇を狙えよ」
「え?」
「まぁ、とりあえずそうしてみなって」
「わ、分かりました!」
skill︙アイスキャノン
効果︙1つの氷を生成し、指定した方向に向かって勢いよく飛ばされる
尾の蛇に命中
低級氷魔法だが、生身を貫くには十分だ
蛇の頭がスパァンと弾け飛び、コカトリスが倒れる
「え?し、死んだ?」
「はい!片方も!」
「あ、はい!」
またも命中
「よぉし、ゴブリンが来る前に行くぞ」
「「は、はい」」
「お疲れ様」
サファナからの労いと共に報酬を渡された
冒険者のような仕事はいつ死ぬかわからないからな、月収制なんてしてたらクレームが飛び交うだろう。
故にギルドは依頼ごとに報酬を渡している
まぁ、そのせいで金遣いが荒い奴もいる
気づいた時には所持金0
その時に依頼を受けるというサイクルをもとにしている冒険者も多いらしい
「じゃ、受付いくわね」
「うい」
そうしてサファナは受付に行った
まぁ、そんな定期的に救助要請があるわけでもない、まだ昼だからまた忙しくなるだろu
「ありがとうございました!!!!」
あかん、死ぬ
32の心臓を驚かさないでいただきたい
見ると先程の魔法使いだった
「あ、全然いいよ。仕事だし」
「それでもありがとうございます!」
律儀な子だなぁ
「それと‥聞きたいことが」
「ん?何?」
「コカトリスの蛇の部分‥なんであそこだけで死んだんですか?」
「あ〜、あれね」
E級冒険者だからまだスライムくらいしか生態が詳しくないから無理もない
「コカトリスって鶏が本体じゃなくて蛇なんだよ」
「え?!」
いい反応するじゃん、俺も聞いたときは驚いたよ
「大蛇が狩りのために鶏に擬態することで狼などを誘ってそれを狩るんだよ。諸説はあるけど大昔に大蛇が鶏の内臓を全部喰って皮だけになったあとに中にとぐろを巻いて隠れることが起源なんだよね」
「えぇ‥」
なかなかとショッキングな進化の過程だが
生態系なんてそんなもんよ
まぁ、騙せるのは野生動物くらいで人間から見たから狼サイズの鶏なんて不自然極まりないからな
進化の過程で1つの身体にはなったことにより、鶏の方の体も動かせるようになったという‥
「鶏の皮の方も大きくなったのは単にギチギチだから伸びたのだろうな、服的な感覚で」
「そんなんですか‥」
「そうだ」
「ありがとうございます、知らないほうが幸せなこともあると分かりました」
「あ、感想それ???」
分からん、この子意外と屈強かもしれない
「しかし冒険者としてはとっても役に立ちました」
「ならいい、これから頑張れよ」
「はい!」
そうやって彼女は律儀に会釈をして受付に行った。
昼の要請にも備えてすこしご飯でも食べよう
ギルドの食堂のメニューは日替わりだから
ギャンブル要素が高い、さて今日は‥
「‥コカトリスの唐揚げ?」
鶏の唐揚げと思ったか?
残念ながら今日は蛇の唐揚げだ
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