第12話

すべての出来事は、五年前にさかのぼる。


その当時、若き日のジャン・プーホウィンは、希望と情熱に満ちあふれていた。彼は一つの目標を胸に、東方の深い森の奥へと歩みを進めた。それは、息子のフーラン・シャオワンのために、最上級の霊獣を手に入れること──生まれたばかりの息子に、類まれな霊力を宿らせるためだった。


彼は何日も森の中で過ごし、数えきれないほどの霊獣と戦い、勝利を重ねた。しかし、どの霊獣も彼の目には、息子にふさわしいほどの力を持っていなかった。彼が求めるのは、少なくとも一匹、強大な潜在能力を秘めた霊獣である。それにふさわしい存在でなければならなかった。しかし、森の奥に進めば進むほど、危険は増していき、ついに彼は後ろに待つ家族を思い、ためらう気持ちを抱かざるを得なかった。


帰路の途中、彼は小さな洞窟に立ち寄り、雨宿りをした。その時、視界の片隅に風化した小さな物体が目に入った──それは、ただの自然石のように見えた。模様も力の光もない、ありふれた石。しかし、遊び心からか、ジャンはその石を持ち帰ることにした。それは、息子に霊獣を与えられなかった自分への、ささやかな慰めのつもりだった。


子供のフーランが、父の手ぶらを見て悲しむのを見て、ジャンはその石を差し出した。


「ほら、持って行きなさい……パパが君のために用意したものだ。」


少年は喜んで石を受け取り、その小さな手で触れた瞬間、予想もしなかったことが起こった。


黄金の光が、少年の体から石の中へと飛び込み、霊力が瞬く間に流れ込んだ。石の灰色の外殻はひび割れ、内部に隠されていた真の宝──美しい卵が姿を現した。卵の表面は滑らかで、虹色の模様が不思議に渦巻き、息を呑むほどの輝きを放っていた。


そして、次の瞬間──卵は孵化した。


現れたのは小さな生き物。子供の手のひらほどの大きさで、体は金と銀のまだら模様に光り、瞳は深い夜空のような黒。ジャンは息をのんだ。目の前の霊獣は──伝説の「ドラゴンスター」、古代霊獣の最高峰──だった。


その瞬間、霊獣の膨大な霊力がジャンに伝わり、彼は周囲の人々の心の声を聞くことができるようになった。


「父よ……母よ……」少年は震える声でつぶやいた。「君たちの声……僕の中にある……」


これが、ジャン・プーホウィンの悲劇の始まりだった。


ドラゴンスターの霊力により、彼は人々の心の声を感じ取ることができるようになった。ただの言葉だけでなく、心の奥底にある感情、嫉妬や憎悪、欲望、偽りの笑顔まで、すべて聞こえてしまうようになった。


父と母の愛だけが、真実で純粋な心の声として彼を支えてくれた。


それ以来、ジャンは冷静で孤独な子供となった。無用な人間関係に心を揺さぶられることなく、他人の表面的な言葉よりも、心の声の真実を重視するようになった。


そして年月が過ぎ、フーランは美しい少女ムーランとなり、香り高い衣に身を包まれ、初めて父の導きで正装することになった。ムーランは礼儀正しく、凛とした姿で父に近づく。


「父上、私は準備できています。」


「そうか……さあ、行こう。今、彼に会わせよう。君なら喜ぶだろう。」


庭園を抜け、美しい木造の堂に到着すると、ムーランはそこで一人の少年と向き合った。青い衣を纏い、漆黒の長髪を整えたその少年は、静かに楽器を奏でていた。


ジャンはムーランをそっと導き、少年の姿を見る瞬間──ムーランは息を呑んだ。


彼女の目に映ったのは、これまで出会った中で最も美しい少年。白く滑らかな肌、繊細な唇、冷たくも深淵な瞳。


そして──その瞬間、ジャンは心の中で笑い声を上げた。


「ははははは! なんて素晴らしい!」


久しぶりに心からの笑いが、ジャンの体中に響き渡った。数年ぶりに感じる、純粋で温かい喜びの感覚だった。


ジャンはムーランの肩に指を置き、微笑む。


「この子は……君にふさわしい。私たちは共に守り、導こう。」

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