第10話 音になる前の、ざわめき
書いた言葉を、
頭の中で読み返す。
意味じゃない。
語順でもない。
間だった。
ここは、
一拍、置いたほうがいい。
ここは、
少し溜めたほうがいい。
そんな感覚が、
言葉のほうから、
勝手に主張してくる。
無視しようとした。
音にしたら、
戻れなくなる気がしたからだ。
でも、
夜になると、
言葉たちは、
静かに並ぶのをやめた。
高さがつく。
長さが変わる。
息を吸う場所が、
勝手に決まる。
声には出さない。
それでも、
鳴ってしまっている。
通勤電車の揺れが、
不意に、
テンポに感じられる。
やめてくれ、
と思う。
今さら、
そんなものを拾い上げる年齢じゃない。
でも、
耳が拒否しない。
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