第4話 櫻井美羽とお話ししよう

 「櫻井美羽さんですね。 始めまして。 私の名前は倉石瑞稀と言います。 このクラスの学級委員をしています。 よろしくお願いします。 それでお話しがありまして、間近に迫っている体育大会について⋯⋯」

 「そんなことは、貴方より理解しています」

 「なんですって! だったら説明してもらおうじゃない!」


 私は怒った。 

 

 理由は簡単だ、私はこの土地のことはよく知っているつもりだ。

 

 ーーでも、そんなことはどうでもよかった。


 ただ単純に、彼女の態度が気に入らないだけである。


 自己紹介で名前しか言わないことーーまるで私達は眼中にない、その態度を私が、委員長として、改心させてあげる!


 10、生徒を改心させる


  「⋯⋯⋯以上がこの学校の体育大会の歴史です。 偉大なる川端家の道筋とこの学校の繋がりが、よくわかりましたか? これで貴方もことね様の凄さが、理解出来ましたね」


 ーー長い、長すぎるよ。 普通にめちゃくちゃ喋るじゃん櫻井さんーー


 私は、とんだ検討違いをしていた。 彼女はただの人見知りだったんだ。


 それなのに私は、勘違いして馬鹿にされていると誤解してーー


 私は、頭を下げて俯いて現実逃避をした。

 「⋯⋯うう。 サイン、コサイン、タン塩牛タン、食べたい⋯⋯」

 「⋯⋯なんですの! 寝てしまいましたわ! ⋯⋯ちょっと起きるのですわ!」

 「はい、おはようございます。 ⋯⋯えっとなんでしたっけ? 理想が世界を闇に覆う時⋯⋯」

 「めっちゃくちゃ序盤ですわ! 偉大さが全然伝わってないですわ! ⋯⋯こうなったら放課後、最初から講義しないと⋯⋯」

 「え~、ゲームしたり、漫画、読みたいから嫌! あ、しまった! ゴホン⋯⋯体育大会が近づいていますので競技の練習を行います」

 「貴方! 全然ごまかせてないですわ⋯⋯ ところで、私はことね様と常に一緒の種目ですよね?」


 ーーついに来たか、やっぱり質問して来るよね。 私は用意していた言い訳を彼女に話す。


 「じゃん! おめでとうございます。 貴方の役割は応援マスコットです!」

 「なんですの? ⋯⋯マスコット? どういうことですの!」

 「⋯⋯だって今から役割変更するの面倒⋯⋯ゴホン。 転校生である貴方に、配慮した結果です!」

 「後で誤魔化しても丸聞こえですわ! この怠慢委員長!」


 私の体を揺さぶる櫻井さん。 ーーところでさっきから口調が変わった? 


 ですます口調じゃなくてお嬢様口調なんだね、ふーん。


 「マスコットの名前は『ミウミウ』に決定だね。 じゃ、一緒に頑張ろ」

 「一緒に頑張ろ、はて? どう言うことですの?」

 「⋯⋯体育大会当日は、私と一緒に司会しよう!」

 「貴方は出ないのですか?」

 「そうだね、私は出ないね」

 「競技が少ないからかしら? ⋯⋯まあ、でしたらしかたありません」


 よし! 騙されてくれた。 これで本番まで、護摩化そっと。



 「ふう、気持ちいいな」


 はあ、それにしても綺麗な金髪だったな櫻井さん。 口調も相まって、完全にお嬢様だよ。 なんだろ、彼女と話してると楽しい気持ちになるのはーー 

 

 どうしたのかなぁ私? まあ、いっか! それよりも久しぶりに凄く気分がいいな! 


 体育大会、櫻井さんと一緒か。 頑張るぞ!


 風呂から出るとお母さんと目が合った。 私にお母さんが微笑んでくれる。


 「瑞稀。 安心したわ」

 「お母さん? どうしたの?」

 「なんでもないわ」

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倉石瑞稀と100のやりたいこと 文章力あげたい @masa9625

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