妹の代わりに「生贄の花嫁」として冷徹公爵のもとへ嫁いだら、なぜか男の僕が初夜で溺愛されている件について~実は僕、国一番の聖女(男)でした~
第3話 初夜が激しすぎて腰が死にましたが、冷徹公爵様がキャラ変して離してくれません
第3話 初夜が激しすぎて腰が死にましたが、冷徹公爵様がキャラ変して離してくれません
「っ、ぐ、ぅ……ッ!!」
鋭い痛みが走り、僕はシーツをきつく握りしめた。 体の中に、自分ではない「異物」が侵入してくる感覚。 それはあまりに大きく、熱く、僕の身体の許容量を遥かに超えているように思えた。
「力を抜け、ノエル。……すぐによくなる」
ジークフリート様の声も、苦しげに掠れている。 彼もまた、僕という狭い
ズズ、ズズズッ……。 ゆっくりと、けれど確実に、彼は最奥へと進軍してくる。
「あ、熱い……! なんか、熱いです、公爵様……!」 「俺もだ。……くそ、なんだこれは。お前の中に入った瞬間、焼けるようだ」
それは物理的な摩擦熱だけではなかった。 繋がった場所から、奔流のような魔力が逆流してきたのだ。
カッ――!!
その瞬間、視界が白く染まった。 僕の身体から溢れ出した「浄化」の光が、彼の中へと流れ込んでいく。 同時に、彼の中に巣食っていたドロドロとした黒い呪いが、悲鳴を上げて蒸発していくのが分かった。
「あ、あぁ……ッ!」
痛みが、消える。 裂けるような苦痛が、甘く痺れるような快感へと塗り替えられていく。 呪いが解ける心地よさと、性感帯を直接抉られる刺激が混ざり合い、脳が真っ白になった。
「ノエル、ノエル……ッ!」 「ジーク、さま……っ、すごい、光が……!」 「光などどうでもいい! お前が、お前の中が、俺を溶かしていく……!」
彼はもう我慢できなかったのか、腰を大きく引くと、一気に最奥までを打ち据えた。
「ひぐっ!?」 「捕まえた。……もう、逃がさない」
ドプン、と深い場所に楔がハマる。 そこからは、嵐のような時間だった。 彼が動くたびに、光の粒子が舞い散り、部屋中をキラキラと照らす。 何度も何度も愛を注がれ、そのたびに僕は男であることも、ここが異世界であることも忘れ、ただ彼に縋り付いて鳴くことしかできなかった。
◇◇◇
翌朝。 小鳥のさえずりと共に、僕は目を覚ました。
「……っつぅぅぅ~……!!」
身じろぎした瞬間、腰に激痛が走り、変な声が出た。 痛い。全身がバラバラになったみたいに痛い。 昨夜、あれから結局何回されたのだろう。途中から気絶するように眠ってしまったから覚えていないけれど、お尻の違和感が凄まじい。
「目が覚めたか?」
頭上から、やけに爽やかな声が降ってきた。 恐る恐る見上げると、そこにはベッドの背もたれに寄りかかり、優雅に本を読んでいるジークフリート様の姿があった。
「え……?」
僕は我が目を疑った。 昨夜までの、あの陰鬱で恐ろしい雰囲気はどこへやら。 窓から差し込む朝日を浴びた彼は、肌艶が良く、まるで生まれ変わったように輝いていたのだ。 常に眉間に刻まれていた深い皺も消え、表情は穏やかそのもの。
(誰このイケメン……!?)
「お、おはよう、ございます……?」 「ああ。おはよう、俺の可愛いノエル」
チュッ。 挨拶代わりのように、おでこにキスが落とされる。 自然すぎる動作に、僕はフリーズした。
「気分はどうだ? 腰は痛むか?」 「は、はい。砕けそうです……」 「そうか。すまなかったな。長年の呪いが解けた反動で、加減が効かなくなってしまった」
彼は「反省している」と言葉では言いつつも、その顔はどこか誇らしげで、満足感に満ち溢れている。 彼はサイドテーブルから、湯気の立つスープ皿を手に取った。
「ほら、口を開けろ」 「えっ? いや、自分で食べま」 「手首も痛いだろう? 私が食べさせてやる。あーん」
あーん、じゃないですよ公爵様! あの「人食い公爵」が、スプーンでふーふーしたスープを差し出してくるなんて、何の悪夢だ。
コンコン。
その時、部屋のドアがノックされた。 返事を待たずに、老執事と数名のメイドたちが、重々しい表情で入ってくる。 彼らの手には、新しいシーツや清掃用具――そして、万が一のための「遺体袋」のような布が見えた気がした。
「失礼いたします、旦那様。昨夜の生贄の処遇についてですが、死体は裏庭に……」
執事が事務的な口調で言いかけ、そして、止まった。
彼らの視線の先には。 半裸の美少年(僕)を膝に抱き、満面の笑みでスプーンを差し出している、キラキラと輝く公爵様の姿。
「……は?」
執事の眼鏡がずり落ちた。 後ろに控えていたメイドの一人が、持っていたバケツを取り落とした。
ガシャァァン!!
盛大な音が響き渡る中、ジークフリート様は不機嫌そうに眉をひそめた――が、その顔すら以前より遥かに健康的だ。
「なんだ、騒々しい。今、ノエルと食事中だぞ」 「だ、旦那、様……? その、御姿は……呪いの痣が……?」 「ああ、消えた。全てこのノエルのおかげだ」
公爵様は僕の腰を抱き寄せ、見せつけるように宣言した。
「紹介しよう。私の最愛の妻であり、この家の救世主だ。これからは公爵夫人として、丁重に扱うように」
(……妻って言った? 今、妻って言ったよね?)
執事たちの視線が、一斉に僕に突き刺さる。 それは昨日のような侮蔑の目ではない。 「あの人食い公爵を骨抜きにした化け物(あるいは女神)」を見るような、畏敬と困惑の入り混じった視線だった。
僕は引きつった笑みを浮かべ、心の中で叫んだ。
(違うんです! 僕はただの身代わりの男の娘で……ああもう、これからどうなっちゃうのー!?)
妹の代わりに「生贄の花嫁」として冷徹公爵のもとへ嫁いだら、なぜか男の僕が初夜で溺愛されている件について~実は僕、国一番の聖女(男)でした~ 角煮カイザー小屋 @gamakoyarima
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