一度目の人生・回想
───いつから道を間違えたのか………
⚫︎
私は二回、生と死を繰り返していた。今でいう転生というやつだ。一度目の人生の名は、
結局私は“最恐の呪詛師“として、“最強の陰陽師“に祓われたのだが…(いや、物理的に殺されたな)。その“最強の陰陽師“とやらが、私と陰陽師として学んでいた時の同期だったのである。
名は…確か、
なんで呪詛師に教え子が?という声もあるだろう。彼女の両親は
⚫︎
───いつしか私の屋敷は燃えていた。
「
ゆらゆらと
「戻らぬ」
私は凛とした声で彼に放つ。口調は古風で、今とは似つかない。黒い喪服のような格好をして、長い黒の髪を
「どうして?帰ってきてくれれば、そこにいる彼女だって助けるよ。あっ、もしかして死刑になるじゃって思ってる?大丈夫だよ、そこは僕が───」
「戻らんと言っておるだろう‼︎」
私の声がその場に響く。少し荒ぶった声色だったので、
「ねえ、どうしてかな?
「なんだ気色悪い。呪いにでも
「まあ、
「!?」
今とんでもない発言が聞こえたような…そして、一瞬語尾にハートが見えたのだが、…いや気のせいだ。気のせいに違いない。気色悪くて吐き気がしそうだ。近寄って来るのではない!殺してやろうか!
と言っても、今の私にそのような力はなかった。現在の時間は深夜で、私は
私は壁に背をピッタリとくっつける。
そんな私の抵抗は虚しく、彼は私のところ、半径1m以内に入った。その瞬間から私の中では“諦め“という感情が現れた。彼と私の力量は歴然。陰陽術の練度でも同じ。てか男のくせに呪力も霊力も平均も超えて異常に突入している
とまあ、ありとあらゆるところで私は劣っていたのだ。本当に情けない、自分が。でもね、ここまで嫌うのにはヤツにも非があると思うの。だって私が頑張って手に入れた称号よりもさらにすごい称号をあっさりと手に入れる……もはや虐めでは?と思うほどだ。あと、現実逃避してたがもうヤツが近いのが!?もう零距離なのだが!?
「近いわ!離れんか陰陽師が!!」
「嫌だね、僕がそんな言葉に従うとでも?」
「五月蝿いわ!“$”止まれ“$”」
私がそう呪力を込めて叫ぶと、彼の体はピタリと止まる。この技は呪詛の一つの“
(すまない、許してくれ……)
私はもう謝れないことを謝りながらも足を進める。もうすぐ屋敷の出口というところで、私の足は止まった。───いや、止めさせられたといった方が正しいだろう。私の足が止まる前に聞いた、あの言葉が今も脳裏にこびりつく。
『“$”脱力しろ“$”』
彼がそういった通り、私の体は脱力し、止まった。いや、止まったというより…倒れた。体が脱力したからか、痛みを存分に受けて、燃え上がる木柱の上で私は倒れた。服が燃えているのを感じる。髪はチリチリになってきている。もはや痛みまで感じない。アドレナリンが出ていたからであろうか。私は体がうまく動かず、息も満足にできなかった。
「
私を見下ろす彼は泣きそうにこちらを見下ろしていた。なぜだ、泣きたいのはこっちだ。人をたくさん殺した。それは否定しない。だが、必要な犠牲だった。普通は死刑になるくらの重罪を犯した人間を殺して何が悪い。櫻子を傷つけ、櫻子の両親を殺した奴らを呪って何が悪い!人は皆同じだ。正義と言いながら自身の身を守る術しか持たない。誠に忌まわしい存在だ。なのになぜお前は私を見下ろす!哀れみ、泣きそうな顔で!私が
──ああ、それならば………
(私がしたことは、なんだったというのだ……)
私が憐れなのなら、どうして、こんなことになったのだ。
その後、私には聞こえるはずのない声が、その空間に広がった…
「君は僕のことを
彼はついに、涙を流したのだった。血塗れで、それでいて儚げな姿で────…
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最恐呪詛師と三度目の人生〜そして、オマケで着いてきた激重陰陽師〜 志那河 ひりた @SINAKAWAHIRITA
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