苦手
「そういえば、クラウドさんって結構なんでもいけますよね」
ミリアムが唐突にクラウドに話しかけた。
「いきなり何の話ですか?」
「いえ、クラウドさんは好き嫌いも無いし、獣も虫もいけるじゃないですか」
「そうですね」
「それと、昨夜は入り込んだネズミを捕まえてくださったでしょう? ありがとうございました」
「いえ」
ミリアムが更に言う。
「クラウドさん、苦手なものってあるんですか?」
「ありますよ?」
「へえ。例えば?」
クラウドは少し考えてから言った。
「犬です」
「意外です。どうしてですか?」
「お嬢様が苦手なものは私も苦手なのです」
「…………」
ミリアムは黙るしかなかった。
「ワン!」
クラウドはある日、屋敷内で犬を見かけた。ニーナの父が飼っているものである。
(ハッ! お嬢様の敵! 今すぐに排除しなければ!)
クラウドが網を持って犬を追いかける。
「クラウドさん⁉ 何をしているんですか⁉」
たまたま通りかかったミリアムに止められる。クラウドはミリアムに鬼気迫る顔で言った。
「犬……お嬢様の敵……排除……」
「ついにバグりましたね⁉」
「今すぐに排除しなければ……!」
「落ち着いてください! お父上様に今度こそ消されますよ⁉ その犬はお父上様の愛犬、ローズでしょう⁉」
「い、今すぐに……!」
そこにニーナが通りかかる。ニーナは言った。
「おすわり」
クラウドは素早くうつぶせになり、完全服従の意を示すのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます