整理

 「おはようございます! お嬢様! 今日も麗しくお美しく可愛くて……死にそうです!」

「おはよう。そしてそのまま死んでくれるかしら」

ニーナは呆れる。

「着替えるから出てってほしいわ」

「かしこまりました!」

クラウドが出ていこうとした時だった。ニーナが呼び止める。

「あ、待って」

「はい、どうしたのでしょう?」

「クラウド、あなたの髪、ボサボサよ。ちゃんと直してるの?」

「はあ。これはどうにも直らなくて」

「後で櫛を持っていくから待っててちょうだい」

「え⁉」

クラウドがどういう意味か聞こうとした時には目の前で扉が閉められていた。クラウドは考える。

「お嬢様が櫛で直してくれる……? いや、お嬢様がそんなことをするはずはないですし……」

「何をブツブツ呟いているんですか? ついに妄想癖が出ましたか?」

「ミリアムさん!」

ミリアムはクラウドに近づいて言った。

「使用人室に来てください」

クラウドは黙ってついていく。


 「お嬢様から言われました。あなたのボサボサの髪を直せ、と」

「お嬢様に直していただきたかった……!」

「私では不満ですか……?」

「当たり前です!」

「あなた、良心がないのかしら」

ミリアムは櫛を取り出す。そしてクラウドの髪に突き刺した。

「あいた⁉」

「あら、ごめんなさい。今すぐ取り……取り……取れないです……」

「ええ⁉」

「あなたの髪がうねりすぎたせいで絡まったみたいです」

「切るつもりですか?」

「え? ダメなんですか?」

クラウドがミリアムを振り返って睨んだ。

「ダメです。絶対に」


 結局、クラウドに突き刺さった櫛は何とか取れた。

このことがあった前日、ニーナはクラウドとこのようなやり取りをしていた。

「クラウド、あなたは髪を切らないでね?」

「どうしてですか、お嬢様」

「だってあなたの髪はふわふわだもの」

「一生切りません!!!」

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