お願い
「お嬢様~!」
「あら、クラウド、どうしたの」
「これから出かけなければならないのです……」
「そう。嬉しいわ」
「なんとことを言うんですか! 私の胸は悲しくて張り裂けそうです……」
「そのまま死んでくれればいいのに」
クラウドはガーン、とした顔でニーナを見る。そして泣き出した。
「お嬢様もミリアムさんもひどいです! どうして私にそんなに死んでほしいんですか……!」
「嘘泣きがお上手なようで」
「嘘じゃありません! お嬢様!」
クラウドはがばっと顔を上げた。
「何かしら?」
「お嬢様、お願いがあります! どうか、私にいってらっしゃいのキスを」
「ふん!」
ドゴッ、と音を立ててクラウドが吹っ飛ぶ。ぼたぼたと鼻血がたれる。
「随分と強いスキンシップですね! それではいってきます、お嬢様!」
笑顔で去っていくクラウド。そんなクラウドを見ながらニーナは思う。
(ああいうのをおめでたい頭だと言うのね)
「お嬢様~! ただいまです!」
「お帰りなさい。そしていってらっしゃい。次は二度と帰ってこないでね」
「まあまあ、そんなこと言わないでくださいよ! 今日はついでに手帳とカメラを買ったんです! これでお嬢様の情報を集めます!」
「それを渡して。今日は休みなさい」
「ありがとうございます!」
「お嬢様。私の手帳とカメラを知りませんか?」
「知らないわ。ミリアムさんに聞いて」
「分かりました」
「ミリアムさん、私の手帳とカメラを知りませんか?」
「どのようなものなのですか?」
「手帳はピンク色なのですが」
「それなら今頃、ゴミ収集車が持っていきました」
「ええ⁉ ま、待って~!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます